渋谷に仕事でやってきた。
渋谷に来ると、昼めしを何にしようか毎回迷う。何せ選択肢が多いから。
せっかくだから渋谷ならではの何かを食べたい、なんて迷っていると、結局吉野家とか立ち食いそばに入って済ませてしまうこともある。仕事で来ると時間に制限があるので、もたもたと迷っている時間はないのだ。
それはそれでも美味いから良いのだが、やはり渋谷に来たからには、渋谷でしか食べられないものを食べたい。
この日は、事前に食べログなどを参考に、渋谷の店を再確認して、打ち合わせに向かった。
資料の準備より、昼飯のほうが頭の中を占めていたのは間違いない。
人間は食うために働いている。
よって飯を食うために頭を使うのも大切なのだ。
渋谷の町中華といえばここ「兆楽」だ。
センター街のお風呂屋さんの下の店舗は行ったことあるが、こちら道玄坂店には一度も入ったことなかった。
もう10年以上も前に行ったので、何を食べたかすら忘れている。
ここの兆楽は店の前を何度も通っていたが、なかなか入る機会がなかった。
この辺りに来ると、決まってC&Cカレーに行っていたので。
この記事の本題と異なり恐縮だが、僕はC&Cのカレーが大好きなのだ。
まずは入店する前に、ガラスに所狭しと貼ってあるメニューの写真を確認する。
店で作ったそのままの写真、パネルマジックのなさそうな写真が良心的だ。
定食やセットメニューが900円~1000円台。
毎日通うには、僕の懐事情からすると少し高めだが、たまに美味しいものを食べる分には良い価格帯だろう。
朝定食もやっている。ということは朝飲みもできるのか。
渋谷は仕事でたまに来るので、普段は仕事している街で朝飲みするのも悪くない。
休日とは、平日とは違う非現実であると、充実していると感じるものだ。
店内に入ると、昼時を少し過ぎているものの、ほぼ満席状態。
厨房を囲むコの字のカウンターの奥の空席に通される。
追って入ってきた方も、僕のその隣に座る。
けっこうぎちぎちに詰め込まれるな。
メニューはセットメニューと決めて入ってきた。
レバニラ、豚しょうが焼き、などの定食メニューも惹かれるが、兆楽といえばルース焼きそばだろう。
ということで、ルース焼きそばセット(1050円)を注文
注文してほどなくして、先に半チャーハンが出来上がる。
昼時で混んでいるのに、かなりスピーディーだ。
スープは鶏出汁ベースの卵スープのようなもの。
町中華で出てくる、醤油ベースの中華スープとはちょっと違う。
追ってルースー焼きそばも出来上がる。
腹が減って店に入って、注文してからこれだけ早く出てくるのは好印象だ。
腹が減っているのに、行列に並んでまでその店に入りたい、とは思うほうなので、こういうお店はありがたい。
ルース焼きそばとは何ぞや?と調べてみると、チンジャオロースのロースが訛って、「ルース」と呼ばれるそうで、それがかかっているので、このメニュー名だそうだ。
かかっている餡には、細切りのタケノコとピーマン、豚肉が入っている。
麺が見えないほどにかかったルースに目が奪われる。
白い皿の端に塗り付けられた、練りからしが何とも良いではないか。
半チャーハンの前に、熱々のルース焼きそばをいただく。
餡の下から麺を持ち上げると、麺がパリパリの揚げた麺ではなく、表面を少しだけ焼いた麺。
餡かけ焼きそばにはこれでなくちゃ。
熱々の餡かけがよく絡んだ麺をひと口。
醤油ベースの中華餡は、オイスターソースが香る町中華の味。
その中に、ほんのりと甘みがあって、僕が好きな味だ。
これはクセになる。人気があるわけだ。
ピーマンとタケノコのシャキシャキとした食感もまた楽しい。
考えてみると、タケノコって家では滅多に食べる機会がない。
濃い目の味付けのルース焼きそばを頬張り、そのままチャーハンもいただく。
チャーハンはもっちり、しっとりというよりは、超パラパラ。
あっさりした味付けで、ルースの餡かけの味の邪魔をしない。
この組み合わせはいい。
中華スープが醤油ベースのそれなら、僕にとっては完璧である。
ルースの餡かけをゾゾッとすすり、追ってチャーハンをかき込む。
夏の暑さで額から汗が噴き出るが、そんなものは構ってられない。
汗をかきかき夢中で食べる中華がいいではないか。
厨房では汗をかきながら、素早く中華鍋をふるう姿。
周りを見ると、お客さんには海外の方もいるようだ。
町中華であっても、やっぱりここは渋谷だ。
すべて平らげて、ごちそうさまでした。美味しかった。
またこのルース焼きそばを食べたい。
でも渋谷って来ると毎回選択肢が多すぎて迷うんだよな…
2023年07月訪問
兆楽 道玄坂店
東京都渋谷区道玄坂2-6-2 藤山恒産第一ビル 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13065803/