川崎、溝の口で5軒ばかりハシゴ酒をして、まだ少しだけ食べられそうなので、〆のラーメン屋へ向かう。
溝の口駅の南口方面に歩き、以前から気になっていた「鴨だしらぁ麺 轟」へ行くことにした。
このラーメン屋のあるビルの上階には、キャバクラがあり、1杯飲んだ後のこの辺りをうろつくと、よく呼び込みの黒服に声を掛けられる。
キャバクラが好きか嫌いかでいえばどちらでもない。
一人で行きたいと思うほどの情熱はないし、どちらかというと酒は一人で黙って飲みたい。
まあ、それはどうでもいい。
鴨だしというと、蕎麦しかイメージできないけど、一体どんなものなのか。
地下1階の店舗へ降りてゆく途中には、ラーメン屋とは思えない和風な看板。
万が一蕎麦が出てきても、まあそれはそれでいいや、くらいの気持ちで店内に入る。
食券の券売機を前に、どれを頼めばよいのか分からなくなり、店員さんによく出るおすすめのメニューを聞く。
女性の店員さんが丁寧に教えてくれ、無事に食券を購入することが出来た。
おそらくこの時、呂律が怪しかったであろう、なんて想像すると毎回恥ずかしくなってくる。
歳のせいか飲み過ぎか、酔うと呂律が回らなくなる度合いが酷くなってきた気がする。
カウンター席に腰を下ろし、目の前にある「轟のこだわり」に目を通す。
京鴨だしのラーメンとは、いかんせん食べたことないので想像が付かない。
店内は出来て間もないということもあり、きれいでお洒落な雰囲気だ。
女性一人客でも入りやすいのではないだろうか。
地下にあって通行人の目に付かないというのも女性向けだ。
たしか大戸屋がそんな感じで店舗設計を考えている、というのを聞いたことがある。
注文した生ビール(500円)には、サラダの突き出しが付いてくる。
こういうちょっとしたサービスはうれしいし、お店の印象が良くなりますな。
さんざんっぱら飲んで来たけど、ラーメン屋で飲む生ビールは別物だ。
サラダを食べていると、今日の酒での不摂生が精算されてゆくような気分になる。
一人で飲み食いしていると、サラダという選択肢は限りなく少ない。
サラダをアテに生ビールを飲み、本日の飲み歩きに思いを馳せていると、醤油らぁ麺(850円)が出来上がる。
たしかに、ラーメンの麺ではあるが、見た感じは鴨だし蕎麦に近い。
鴨のチャーシュー、つくね、焼いたネギ、メンマ、三つ葉が乗っている。
茶色の中に緑の三つ葉が色鮮やかだ。
ラーメンに緑の野菜が乗っているのは、さっぱりして大好き。
スープを飲んでみると、たしかに鴨だしの蕎麦つゆではなくラーメンだ。
しかし、鶏ガラや豚骨のようなスープではなく、蕎麦つゆ寄りの味にも感じる。
さっぱりはしているけれど、鴨の脂が良いコクになっている。これは旨い。
麺は細麺で、するすると入ってくる。
たしかにラーメンだが、蕎麦を食べているような気分にもなる、なんとも不思議な感覚。
これは酒を飲んだ後に最高だ。
美味い、これはたしかにありだ。
三つ葉のさっぱりした感じもまたいい。
けっこう食べて来たのに、するすると麺が入ってくる。
丼の麺はあっという間に麺が減ってゆく。
頃合いを見計らって、店員さんが柚子を直接おろして入れてくれる。
柚子の香りが効いた、鴨だしのスープがまた旨い。
鴨だしのコクがあるスープに、柚子の鮮やかな香りが旨さを倍増させる。
これ、雑炊にして食べたいくらいだ。
柚子の香りが効いたスープは全部飲み干せるほどの美味しさ。
しかし、午前中から飲み歩きしていた僕に胃はキャパオーバーだった。
残すのはもったいないという感情に後ろ髪を引かれる思いで、ごちそうさました。
会計は1,350円。
ここまで凝ったラーメンは850円で食べられるというのは、リーズナブルではないだろうか。
溝の口にはここ最近でラーメン屋が増え、激戦区の様相となっている。
そんな中でもこの鴨だしラーメンは、溝の口のラーメン事情に新風を吹き込んだのに間違いない。
2022年02月訪問
鴨だしらぁ麺 轟
神奈川県川崎市高津区久本1-2-2 スキップビル B1F
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140505/14081841/
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