溝の口には夕方以降に訪れると、ホルモンの焼ける香りと、豚骨の香りが混ざりあい、どうにも我慢できなくなる一帯がある。
田園都市線の溝の口駅南口、短いエスカレーターで降りてバスロータリーが見える辺りがそれだ。
たまいグループのホルモン焼きの店が出す煙、たまいグループの焼鳥屋が出す煙、それに負けず豚骨の香りで主張しているのが、「まっち棒」である。
和歌山ラーメンのお店だ。
香りだけを嗅ぐと博多豚骨ラーメンの店と勘違いする人もいるのではないだろうか。
この日も何軒かはしご酒をして、〆のラーメンを食べるべくやってきた。
並ぶほどではないが、常に平均してお客が入っている、溝の口のラーメンの中でも人気のあるお店。
店内がカウンター席のみで、この日も7割程度席が埋まっていた。
僕は中華そば一辺倒だが、味噌ラーメンも美味しそうだ。
おつまみメニューもあり、おつまみとビールを楽しんで、〆の和歌山ラーメンという流れでも楽しめる。
長居する雰囲気ではないので、さくっと飲んでラーメン食べるといった感じだ。
まずは生ビール(520円)。
散々飲み歩いてきたので、飲む必要性もないのだが、これはもう義務というかクセだろう。
飲み歩きを始めたら、入った店では必ず何かしらの酒を飲む。
そういうルールになっている。
ジョッキもキンキンに冷えており、なかなかに美味い生ビールだ。
店を変えると一杯目は毎回美味い。
中華そば(780円)を注文。
泡立ったスープに刻みネギ、メンマ、かまぼこ、チャーシュー。
スープは豚骨醤油だが、横浜家系ラーメンのそれとも違い、醤油味のエッジが効いた独特な味。
麺が細麺というのがいい。
飲んだ後にするすると食べられる細麺が僕は好きだ。
醤油豚骨の濃い味のスープにこの細麺がよく合うんだ。
同じ豚骨醤油系のラーメンでも、飲んだ後は若干もたれるタイプもあるが、細麺のせいもあってか、ここのラーメンはそうもたれる感じはない。
ラーメン丼も大きなものではないので、量もちょうどいい。
テレビのケンミンショーで観たのだが、和歌山ラーメンといえばライスは必須らしい。
濃い味のスープにたしかにライスは欲しくなる。
今回はさんざん飲んで食べてきたので、ライスは頼まなかったか、頼めば頼んだで食べれたであろう。
欲のままに飲み食いしていいのは20代まで。40代は自制も必要なのである。
やっぱりみんなラーメンとライスはセットなのかな、と周りを見回すと、それが意外にそうでもない。
餃子とラーメン、ラーメンのみのお客が多いのだ。
これが県民性の違いというものなのかもしれない。
ビールを飲み干し、ラーメンを完食してお会計1300円。
定期的に食べたくなる中毒性のあるラーメンだ。
2021年10月訪問
まっち棒 溝の口店
神奈川県川崎市高津区溝口2-3-7 サウスウイング1F
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140505/14006090/
<この記事の動画はこちら>
https://youtu.be/LjNbz3_lk6o