中目黒から池尻大橋駅へ目黒川沿いを歩いてゆく。
中目黒に来た時は、いつも駅周辺で昼飯を食べているので、たまには池尻方面で食べてみよう、と散歩がてら歩いて来てみた。
池尻大橋といえば思いつくのがラーメン「八雲」。
このあたりでは有名らしく、数年前に一度だけ来たことあるけど、あの時は行列に並んで食べた記憶がある。
今回、昼時を外したせいか、以前来た時のような行列は出来ていなかった。
大きな看板などが出ていないので、最初に来た時は店の場所が分かりにくい。
お店の外観からここがラーメン屋だということは、探して来た人しか分かりにくいだろう。
店先に誰も並んでいないので、空いているのかと思い店内に入ってみる。
すると、外には待っていなかったが、店内の長椅子に何組かの先客が待っていた。
先に食券を購入する。
ミシュランガイドのシールが貼ってあるが、ミシュランってのを僕は未だによく分かっていない。
そもそもミュシュランガイドを読んだことすらない。
何やら権威あるガイドなのだということは知っているけど、己の舌を信じるのが一番だ。
情報ではなく、ラーメンを食べに来ているのだから。
特製ワンタン麺の白だしハーフ(1,080円)を購入。
差額の120円をケチったわけではなくて、ワンタンは少し乗っているくらいが好きなのだ。
店内は打ちっぱなしの壁にアートなどが飾られていて、おしゃれな雰囲気。
コの字のカウンター席のみで、大人数が座れないので、回転はやや遅いように感じた。
前回来た時もそうだった記憶があるのだが、一人客よりカップルやグループの客が多く、食べ終わっても待っている人がいるので、回転が遅くなっているのだろう。
待っている客もいるんだから、さっさと食べ終わった人から出て行って欲しい、正直今回もそう思った。
20分くらい待ってやっと着席。
カウンターにはしっかりとアクリルのセパレーターが設置してある。
着席して5分程度でワンタン麺が到着。
麺は硬めを指定した。
スープの色とそこ横たわる細麺が美しい。
最初に食べた時も思ったのだが、見た目がきれいなのよ。
スープには油が浮いている。これは鶏油(チーユ)なのだろうか。
白だしなので、塩ラーメンのような感じかと思っていたが、黄色がかった色をしている。
一口飲んでみると、油のせいか熱々で火傷しそうになる。
しかしこの位熱い方がうれしいではないか。
あっさりとしているが、しっかりと舌の奥に旨味が残るスープだ。
相変わらず美味い。
ミシュランガイドというのは、こういう洗練された上品な味が好きなのだろうか。
細麺はするするとのど越しがよく、あっさりとしたスープによく合う。
硬めにすると麺の噛み応えも少し出て、食べても食べても飽きない麺だ。
つるつるつるつると気持ちのいい麺だ。
美味いというかすすった感じが気持ちいいのよ。
ワンタンが入っているのに、チャーシューまで入っている。
チャーシューはハムに近い、いわゆる油たっぷりな感じではない。
美味しいが、この日食べた際は少し臭みを感じた。
こういう物なのかもしれないが、そう感じたので正直に記しておきたい。
メンマは自家製なのか、見たことのないような形状をしている。
かなり薄く切ってあり、よく食べる濃い味のメンマではなく、柔らかい筍の煮物といった感じがする。
たしかにこの繊細なスープには、濃い味のメンマは主張が強すぎるのだろう。
ワンタンは肉とエビの2種類が入っている。
肉の方は、肉汁ジューシーというよりしっかりと噛み応えのある、肉団子のような感じだ。
具が小さめでワンタンの皮自体のつるつるとした感覚も楽しめる。
エビもしっかりとすりつぶされた団子上になっており、こちらもしっかりとした歯ごたえを感じる。
どちらも具材本来の食感というものをあまり残さずに、しっかりとすりつぶされているのが特徴的だと思った。
卓上の黒胡椒を少し入れて味変してみる。
少しピリッとさせると、あっさりスープにパンチが出ていい感じ。
酒飲んだ後の〆のラーメンにしたら贅沢だろうな。
麺を完食し、スープもすべて飲み干しごちそうさまでした。
スープを全部飲み干しても腹8分目くらいの感覚があり、やさしいラーメンだと感じた。
ラーメンライスというよりは、ラーメンだけを味わうラーメン、そんな感じのラーメンだった。
2022年12月訪問
八雲
東京都目黒区東山3-6-15 エビヤビル 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131705/13204333/