所用があって、平日の溝の口駅に立ち寄った。
そのまま会社に直帰することもできたが、たまには溝の口で昼ごはんでも食べようか。
時間は14時近く。
この日は若干の二日酔いで、昼ごはん時に昼飯を食べる気になれず、この時間になってしまった。
だいぶ二日酔いから復活してきたので、気になっていた「らーめん豚島」を目指す。
溝の口、二郎系ラーメンで探していて、気になっていたお店だ。
田園都市線の改札を出て、東急ストアから出てすぐの交差点を渡る。
吉野家、すた丼の店の前を通り過ぎ、1階には家系ラーメン「壱角家」があり、2階には「焼肉ホルモン竹田」があるビルが見えてくる。
「らーめん豚島」は、2階へ階段を上がった奥の方にあり、道路からは見えにくいので、今まであることすら知らなかった。2階に上がり、そのまままっすぐに進むと「味自慢 ラーメン」の暖簾が見える。
この暖簾を見る限り、これが二郎系ラーメンだと予想できる者は少ないのではないだろうか。
特に並んでいるお客はいない。
昼時を過ぎた平日なので、先客は4組程度。
後からもお客が入ってきたので、ごはん時に来たら並ぶのだろう、と容易に想像ができる。
まずは券売機で食券を購入。
普通のラーメン(900円)を選択。トッピングも色々あるらしいが、僕には不要だ。
案内されたカウンター席に腰を下ろし、店員さんに食券を渡す。
好みを聞かれるが、初めてきたので分からず、全部普通でと伝える。
無料トッピングは野菜、アブラ、味の濃さ。
ニンニクは卓上の物を自分でトッピングするスタイル。
自分でニンニクを調整できるのはありがたい。
いつもニンニクの量が予想付かず、少しずつ自分の好みの味に調整できるのはいい。
二郎系ラーメンも、こういう感じに進化していくと、入りやすくなってくるのではないかと思う。
とにかくルールが分からないのよ!
待つこと10分程度でラーメンが到着。
カウンターと厨房との間に、かなりの高さがあり、丼を受け取る時に、つるっと滑って落とさないか不安になる。
酔っぱらっていると、落としちゃう人もいるんじゃないかな……
無事に受け取り、改めて丼を直視する。
このもやしの量と、チャーシューの分厚さ。
二日酔いから回復したばかりの胃袋におさまるだろうか、と少し不安になってくる。
しかし胃袋とは相反して目が欲しがってしまうのだ。
どうしてこうも、二日酔いからの復活飯は欲張ってしまうのだろうか。
山盛りのもやしの下に箸を入れて、麺の存在を確かめるべく、麺を持ち上げてみる。
二郎系ラーメン特有の太くて平たい麺だ。
これだ、目と頭はこれを欲していたのだ。
まずは麺からすすってみる。
麺をすするというよりは、食べるという表現が正しいような噛み応え。
このワシワシと麺を噛みしめながら食べるのが、二郎系ラーメンの醍醐味だろう。
欲を言うともう少し硬くても良いかもしれない。
続いて、スープに漬かっている部分のもやしを口に入れる。
茹でてあるもやしと、キャベツのシャキシャキ感がいい。
ただ、スープの味になかなか馴染まないので、もやしの味そのまんま感は否めない。
下からスープをすくい、麺ともやしに馴染ませてゆく。
スープは、二郎系の甘みを感じる味とは少し異なり、酸味が少々強く、甘みが少なく感じられる。
正直な感想を言うと、二郎系のスープとは似て異なるものなのかな、というのが最初の印象だ。
丼の端にある、チャーシューもひと口。
アブラ全開で食べ応えのあるチャーシュー。これは後々ボディーに効いてきそう。
チャーシューの味付け自体が、このスープで付けたのではないか、という味付けだ。
どうもスープが薄いような気がして、ニンニクと唐辛子で味変をしてみる。
そしてスープを一口。
やはりニンニクが効いているほうがいい。
唐辛子がピリッとして、ニンニクの香りが効いている。
これがいい。
もしかすると、これは脂を入れてもらうと、ちょうど良い甘みが出るのかな、と思った。
周りを見ると、大体の方がアブラをトッピングをしている。
お店からも是非入れて欲しい、と書いてあったので入れるのが正解だったか。
席に座って、いきなりトッピングを聞かれたから、おじさんよく周りを見ずに頼んじゃった。
そういうことなのよ、二郎系ラーメンの着席、即好みを連絡、のテンポに付いていけないんだよ。
卓上にある、追いダレみたいなものを入れようかと思ったが、もやしがだいぶスープと馴染んできたのでやめた。
後から来た学生さん風の若者は、最初にこの追いダレをもやしにザザッとかけてから食べていた。
そうか。
僕はこのラーメンのことを知らなかったのだ。
この青年を見て初めて悟った。
脂たっぷりのチャーシューにかぶりついたせいか、口の周りがアブラのリップ状態になっている。
ティッシュで拭こうかと思ったが、カウンターにはティッシュがない。
カウンターの下に手を回しても見つからない。
ここにはティッシュがないのだ。
これは要注意。次回から必ずポケットティッシュ持参だ。
ニンニクを徐々に足して、唐辛子も足して、自分好みの味に変換してゆく。
チャーシューの脂も溶けたのか、最初にスープに感じた酸味なども舌に馴染んでゆく。
そうか、そうか、そういうことか。
ニンニクを足している時、これから会社に戻る、ということが脳裏に浮かんだが、マスクをして乗り切ろうと思った。業務中の飲酒は禁止だが、ニンニクは禁止ではない。
だいぶ麺を食べたはずなのに、なかなか量が減らない。
やはり自分には、麺少な目じゃないとだめなのか。
隣の同年代、いや僕より年上っぽいお客はアブラトッピングして、ライスまで食べている。
(40歳を過ぎると、自分より年上なのか下なのか、判別が付きにくくなってくる)
二日酔いで自分の胃が疲れているのか、それとも歳のせいで食が細くなってきたのか。
このラーメンを残さず食べることに対して、不安の念が頭を埋めてゆく。
250gの麺ってこんなに多かったっけ。
美味しさよりも、完食というゴール設定に向かって、邁進していくような気持になる。
しばし格闘して、もやしを先に食べ尽くし、麺の終わりも見えてきた。
やはり味を濃い目にして、脂を少々入れてもらった方が、箸が進んだかもしれない。
麺を何とか完食し、チャーシューも端の脂を残してごちそうさまでした。
食べ終わったら、丼をカウンターの上に戻さないといけないので、残したら怒られるかと思い、一生懸命食べた。
ただ、チャーシューの脂だけは難しかった。
以前〆のラーメンに来ようかと思っていたが、酔った勢いで来るもんじゃない。
素面の状態で、一度来ておいてよかった。
丼をカウンターの上に置き、布巾で自分の食べた後を拭く。
店を出て2階の踊り場に立つと、冬の冷たい風がやけに心地良かった。
次に来るときは、麺と野菜少な目、味チョイカラ、チョイアブラに決まりだ。
休肝日の翌日、何も食べないで来るのがベストだろう。
自分好みの味を見つける楽しみができた。
また来たい。
2023年12月訪問
らーめん豚島 溝の口店
神奈川県川崎市高津区溝口2-9-5 トルチェヴァリ 2F
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140505/14085146/