このあたりに住んでいる飲兵衛はみんな大好き「かとりや」へやってきた。
かとりやは、隣駅の武蔵溝ノ口、自由が丘にも店舗があり、どちらも行ったことがあるが、ここ新城店が一番好きだ。
店内が改装されていて、きれいで広いので居心地がいい。
気分にもよるが、溝の口で飲んでから、わざわざ隣駅の武蔵新城駅に移動してここに来ることもある。
平日は分からないが、土日は開店前から人が並んでいる。
日によってはかなりの行列ができていることもある。
ちょっとした武蔵新城名物なのではないかと思う。
この日は休日だったので、早めに武蔵新城にスタンバイ。
鍛冶屋文蔵で軽く一杯やって、開店前の15分くらいに並んだ。
秋口で17時前には少し周囲が暗くなり始めた頃、やきとりの赤ちょうちんが灯り、店員さんが暖簾をかけに来る。
それと同時にぞろぞろとみんなで入店する。
当然のことながら並んでいるのは中年以降の男女のみ。
若い方もいるが、開店に並ぶのは年配の方が多い印象だ。
カウンター席の好きなところに座りレモンサワー(380円)を注文。
この店では座ったらすぐに注文するのがコツ。
みなさん勝手知っているので、メニューを見ないでジャンジャン注文する。
その雰囲気に飲まれず、タイミングよく店員さんに声をかけることが大切だ。
突き出しのキャベツの漬物に、添え付けの一味をかけ、醤油をさっとふる。
そしてレモンサワーをひと口。
まずこれが、かとりやに来たら最初の儀式。
メニューは焼き物メインで、種類はさほど多くなくシンプル。
焼き串は一人5本からなので、好きな組み合わせを選ぶ。
最近行ってないのでうろ覚えだが、1種類2本ずつだったと思う。
速やかに焼き物も注文。
焼き物が出来るまで時間がかかるので、とり刺し(450円)も注文。
昔はレバ刺しも出していたのだが、色々あって今は刺身はとりのみ(2019年時)
生姜、ニンニク、ごま油でいつも頼む。
薬味は好みを最初に伝えないといけないので、一見さんはちょっと分かりにくい。
僕も何回か通って、常連さんの真似をして注文するようになった。
鳥刺しをゴマ油、塩、ニンニクで食べると、レバ刺しのような感覚で美味い。
僕はこの食べ方が一番好き。
焼き物はレバー2本、シロ2本、コブクロ1本の5本(450円)を注文。
最初の注文を速やかにしておくと、出てくるのがけっこう早い。
そういう意味で最初が肝心なのだ。
ここの串焼きは辛味噌と辛子を付けて食べる。
特にレバーはトロトロで美味い。
シロも下処理が完璧になされていて、独特の食感を楽しめる。
ここのもつ焼きは最高なんだ。
レモンサワーを飲み干し、樽酒(350円)を注文。
升からこぼれるまで注いでくれる樽酒が美味い。
ふわっと升の杉の香りが混じり、つい飲み過ぎてしまう危険をはらんだ酒だ。
これを飲み過ぎて、へべれけになってしまう客はけっこういるだろう。
以前ここで飲んだ時に、隣のお客さんが赤ら顔で「この樽酒はやばいんだよ」みたいなことを言っていた。
その時点ですでに樽酒に飲まれている顔だったことを思い出す。
最初はこぼさないよう口から迎えに行ってあげる。
大人になって、この下品ともいえる飲み方が楽しい。
人間である前に、酒を前にしたら僕は動物なのだ。
何口か飲んだら、升の縁に塩を少し持って飲むと、より酒の甘みを感じてうまくなる。
こういうことをしているから、つい飲み過ぎてしまうのだ。
コブクロのこりこりとした食感を味わいながら、樽酒をぐびり。
店内には串焼きを焼く炭の香りが充満し、なんとも居心地がいい。
かとりやのカウンターで飲んでいると、けっこう隣の方に話しかけられることがある。
ここで一杯おごってもらったこともあったな。
南武線沿いには、富士通やNEC、他にも大手企業があるので、平日はこの辺りのサラリーマンがよくこの店には来る。現場仕事の下その足で来ているような方もいて、客のバリエーションがあって面白い。
スーツ姿と作業着、普段着、周りのお客さんを見ているだけでも楽しくなる。
きょろきょろしているから話しかけられるんだろうな。
話しかけられるのは得意な方ではないが、話すと気さくで良い方が多かったと記憶している。
樽酒を飲み干し、会計1,790円。
今宵も良きかとりやであった。
また来たい。
2019年11月訪問
かとりや 新城店
神奈川県川崎市中原区新城5-1-7 1F
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140504/14013494/
<この記事の動画はこちら>
https://youtu.be/DJn_5XLG8w8