本厚木1日10軒ハシゴ酒10軒目「富士そば」生ビールに〆のかけそば【酒のほそ道完全再現】

9軒目のドラム缶を出ると、外はすでに暗くなり、街路樹には大量のすずめが帰って来ている。
〆は事前に調べたラーメン屋へ行こうかと思い、歩き始める。
また駅の南口方面へ歩くが、暗いのと酔いとで、段々とどこを歩いているのかよく分からなくなってきた。

直感的にこれは良くないと思い、ラーメン屋を探すのは諦めて、駅前に引き返す。
ごはんを食べるほどの余力はないので、汁物で〆たい。

駅のすぐ近くまで戻ってくると、「富士そば」の看板が煌々と光っている。
蕎麦で〆るか。
もう色々考えるのも面倒なので、富士そばに入ることに。

ワンフード、ワンドリンクのルールなので、券売機で真っ先に酒があるか確認する。
生ビールがあったので、このままここで〆ることにする。

生ビール(430円)とかけそば(290円)を注文。
このベコベコのコップで飲む生ビールがいいんだな。

冷えた生ビールをまずは口に運ぶ。
これで10軒目の達成感、疲労感が相まって生ビールが美味い。
疲れた時の生ビールほど美味いものはない。

シンプルなかけそばに七味唐辛子を振ってすする。
散々飲んだ胃に、熱いそばが沁みわたる。

飲んだ後の蕎麦って最高に旨い。

富士そばの濃いつゆの味が、塩分を欲している身体にちょうどいい。
関東の立ち食いそばは真っ黒のつゆ、と揶揄されることがあるが、飲んだ後にこれが旨いんだな。

無心で蕎麦をすすり、冷たいビールを飲み干し、ごちそうさまでした。

会計は720円。
10軒やっと達成だ！
朝8時台に家を出てから約9時間、よくぞずっと飲み歩き回ったと思う。
これはもはや、酒飲みアスリート競技と言っても良いだろう。

座ってそばを食べたら復活したようで、もう1軒行けそうな気分になってきた。
しかし、それがやめておこう。

この日10軒ハシゴ酒で合計は10,790円であった。
1軒あたりにすると、けっこう安く飲めたのではないだろうか。

ちゃんと家に帰るまでが、10軒ハシゴ酒なので、富士そばを出てすぐに本厚木駅の改札をくぐる。

ホームに上がって、ちょうど来ていた各駅停車に乗る。
急行を待とうかと思ったけど、ゆっくりと座りたい。

寝ないように、寝ないように、意識しながら電車に乗り、この日は無事に帰ることができた。
最後にきっちり蕎麦で〆たせいか、訳の分からないほど酔った状態ではなく、家族に醜態をさらさずに済んだのが幸いだった。

1日10軒ハシゴ酒、この記事を書いている今はもう、こんなことはできないであろう。

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2020年11月訪問

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