3軒目の店を出て、厚木の街を徘徊する。
さして行くあてもないので、行ったり来たり同じ場所をうろちょろとしているに過ぎないが、
ひとつ言えるのは、酔った状態で歩くのは気分がいいということだ。
空を見上げると、あいにくの曇り空。
雲った感じがまた、本厚木の路地をディープなものに感じさせてくれる。
本厚木は、僕が学生の頃は中古レコード、ファッション、雑貨など様々な店が並んでいた。
しかしもう、その面影は建物でしかなく、ほとんどが飲食店で埋め尽くされている。
歩いていると、昼飲みの旗がやけに目に付く店の前を通る。
完全個室の「月あかり」という店だ。
最近できた店のように見えて、かなり店先はきれいだ。
時刻は12:40。午前の部はこの店で終わりにしようか。
店内は薄暗く、テーブルごとに仕切りがあって、ほぼ完全個室に近い状態。
酒菜の隠れ家とはよく言ったものだ。
個室感もあるが、天井を見上げると、黒いコンクリート打ちっぱなしのようでもあり、なんとも不思議な空間である。
酒がとにかく安い。ビール、ハイボール、サワーが税抜きで191円。
つまみも税抜き264円だ。
ちょい呑みセットにしようと思いながら、グランドメニューにも一応目を通す。
揚げ物など若い客層に向けたメニューが充実している。
酒は昼飲みが安いようだ。
通常は400円台なので、他の店とさほど変わらない。
ちょい呑み小鉢セット(891円)を注文。
ドリンクはハイボールにした。
最初に若い店員さんが持ってきてくれたジョッキは、大きな亀裂が入っており、そのまま飲もうかと思ったが、真っ二つに割れて唇を切りそうなので交換してもらった。
持ってくる時に気が付きそうなものだが、、と思ってしまった。
まあいい。
とりあえず、新しいハイボールをぐっと飲み込み留飲を下げる。
まずは本マグロぶつ。
小鉢といいながらも本格的な盛り付けだ。
口に入れてみると、マグロのようでいて、マグロではないような。
なんだか不思議な食感と味のマグロである。
トロッと口の中で溶けるけど、マグロの味がしないような、不思議としかいいようのない味だった。
2品目は、手造りチーズ入り月見つくね卵黄添え。
中にはとろりとよく伸びるチーズが入っており、卵黄を付けて食べると濃厚で美味い。
3品目は、だし巻きたまご。
思った以上に大きな玉子焼きだ。温かくて無難な味。
891円で酒も付いて、このつまみのボリュームはすごいな。
4軒目にして、早くも胃が満足し始めている。
小鉢セットでこのボリュームだとは、さすがに分からなかった。
つまみに対して酒が足りない。
ランチ生ビール(210円)を追加注文。
ちょい飲みセットで1杯で完結するのは、なかなかに強い意志が必要なのである。
生ビールを頼んだものの、かなりのつまみの量が残ってしまった。
これで3杯飲めそうなものだが、悩ましいところだ。
けっこうお腹いっぱいになってきたので、やっぱり10軒ハシゴ酒とか、馬鹿馬鹿しいことやめようかな。
そんな気持ちが一瞬頭の中をよぎる。
酔っ払って、正直面倒臭い気持ちも出て来た。
しかし、それでは本厚木くんだりまで出向いた意味がない。
気持ちを新たに、生ビールを大切に飲みながら、小鉢3品を平らげる。
ごちそうさまでした。
4軒目にして、かなりお腹がいっぱいになってしまった。
会計は1,190円。
味はともかく、これだけのボリュームがあってこの値段は安い。
あと6軒、この状態でいけるのであろうか。
にわかに不安がよぎる。
2020年11月訪問
酒菜の隠れ家 月あかり 本厚木中町店
神奈川県厚木市中町2-7-11 オーイズミダイニングビル 1F
https://tabelog.com/kanagawa/A1408/A140802/14074962/
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