休日にあてもなく町田駅で降り、明るい時間から酒が飲める店を探して歩く。
40代の僕の唯一の趣味だ。
中華チェーン店で軽く飲んで、調子よく歩いていると、認識していなかった店がある。
新しくできた店なのか、はたまた自分が気づかなかっただけなのか。
休日の昼に町田を彷徨うこと幾たびもあったはずだが、この店には気づかなんだ。
酔っぱらいながら歩いていると、見ているようでいて見えていない物がよくあるものなのだ。
真っ白な暖簾に「町呑み屋」の店名がなびく。
現在11時台、中を覗き込むとどうやら営業しているようだ。
店内は先客がおらず、コの字のカウンターを独占。
女性の店員さん一人で切り盛りしているようで、店員さんも独占だ。
カウンターごしに料理をしている姿が丸見えなのがいい。
ホワイトボードのメニューはおすすめなのか、駄菓子なんかもある。
どのつまみも300円程度となかなか良心的な値段だ。
浅漬け、冷奴なんかは100円代だ。
夜になったらけっこう人が集まるんだろうな。
飲兵衛はみんなこういう店が大好きよ。
まずはホッピー白(400円)。
昼のホッピーは高確率で泥酔の世界へといざなう。
飲んだその時はふわっと気持ち良いのだが、はしご酒の後半にはぐだぐだになるのだ。
だがやはりホッピーがあれば飲みたい。
料金は前払い制で先に1000円札を出しておく。
このシステムがまた、場末の立ち飲み屋に来ているようで好きだ。
酔客相手にするなら現金前払い!
特にコの時のカウンターでやっているような店は、このシステム必須だろう。
酔って気が大きくなった酔客が、無銭飲食することだってありえるから。
軽めにあげ出し豆腐(350円)を注文。
少々飲んで来たので、こういうメニューでちょっとクールダウンしたいところ。
ネギがたくさん載っているのがうれしい。
ひと口熱々のところを口に運ぶ。
だし汁があっさりと優しい味。酒を飲んだ胃にすっと染みてゆく。
まるでお腹が痛いときに、母親にお腹をさすってもらったような、どことなく安心感すら感じる。
衣が薄く豆腐の中まで熱々なのもいい。
いいなこの店。
ホッピーの中身をお替り。
時折店の前を通る人の流れを眺めながら、ゆっくりと流れる時間。
僕はこの店の前を通りすぎていたのか、どうだったのか。
ホッピー、中お替り、揚げ出し豆腐で会計950円。
せんべろどころか1000円未満。
平日に会社休んで昼に来たら、さぞかし気持ち良いだろうな。
2021年6月訪問
立ち飲み 町呑屋
東京都町田市原町田4-5-10
https://tabelog.com/tokyo/A1327/A132701/13227081/
<この記事の動画はこちら>
https://youtu.be/FfwHJVy82P0