今はもうやめてしまったが、僕は数年前までパチンコにはまっていた。
結婚して子供が出来てからというもの、独身の頃よりはかなり控えてはいたのだが、それでも休日に一人になると打ちたくなって、ついふらっと入ってしまう。(2019年当時)
この日も缶チューハイを引っかけて、10時開店と同時にパチンコ屋へ入り、予算の金額をすべてスッて町田の街を歩いていた。
ギャンブルは不思議なもので、勝った時よりも負けた時の方が懐が緩くなる。
勝った時は勝った分無駄遣いしないようにしよう、負けた時はどうせ負けたから散在してやれ。
普通なら逆のはずなのだが、どうも僕の頭の中はそうはなっていないらしい。
負けた反省会と称して、銀行口座に入っているなけなしの小遣いをATMでおろし、「炭火串焼きいくどん」へ向かった。
この店は24時間営業しているらしく、まだ昼前の時間帯だったが、赤いちょうちんには灯が浮かぶ。
中を覗くと、先客はカウンターに一組だけ。
店の中は少し薄暗く、店内に入ると夜の居酒屋の雰囲気そのものだ。
まずは酒を飲もう。
酒のメニューはビール、ホッピー、ハイボールなど無難なラインナップ。
いくどんというお店は何店舗かあって、町田に本店を置く七輪ホルモンで有名な店だ。
ここ「炭火串焼きいくどん」はそのいくどんグループの串焼きバージョン。
ホルモンが美味い店なので、串焼きも外れはないだろう。
一品料理などもあり、七輪ホルモンよりも居酒屋として利用しやすい店だ。
まずは敗者のホッピー白(480円)。
中の量がちょうどいい塩梅だ。
ホッピーがギャンブル負けの心を慰める。
昼のホッピーってなんでこんなに気持ちが良いのだろう。
さっきまで感じていた、パチンコで負けてしまったことへの後悔が早くも薄れていくのが分かる。
こうやって学習能力というのは衰えていくのかもしれない。
しばらくメニューを見て、軽く串焼き何点かを注文。
飲み歩きする予定なので、軽めにしておこう。
同じカウンター席に座っている先客は、おそらく朝まで飲んでいたであろう若者2名。
かなり酔っているようだが、楽しいんだろうな。
おじさんは朝からギャンブルで負けてしまったよ。
しばし待つと、丸腸(150円)が焼きあがる。
ころんとした丸腸が串に刺さっているのが可愛らしい。
ひと口食べると、噛みしめた時の脂の甘みがいい。
臭みなどはなく、ホルモンの美味しさが口いっぱいに広がる。
かかっているタレが甘くて美味い。
豚タンとカシラ(各130円)も注文。
こちらは塩で出てくる。
味付けを指定しない串焼きは、まず間違いなく旨い、と僕は思っている。
ついでにホッピーの中(追加焼酎)を注文。
中はコップに入って出てくるタイプ。
飲んでいたジョッキにそのまま焼酎をどぼどぼと入れ、ホッピーを注ぐ。
タンとカシラにレモンを搾り、カシラから齧る。
たしかな肉の噛み応えに、ジュッと口に広がる肉汁がいい。
さすが、ホルモンの店だけあって串焼きも美味い。
タンもしっかりとした噛み応えで、酒を飲むのにちょうどいい。
ホッピーの酔いも回り、店内の雰囲気で昼だか夜だか分からなくなってくる。
昼飲みはこの感覚が、背徳を纏って心地よい感覚となる。
串焼きを食べ、ホッピーを飲み干しごちそうさまでした。
会計は1,200円。
早い時間帯にふらっと入って飲むのにちょうどいい店だ。
※追記
2023年1月現在、食べログで確認したところ、店名は「居酒屋いくどん」に変わっている。
営業時間も24時間営業となっているが、このご時世まだ同じ営業形態かは定かではない。
2019年11月訪問
居酒屋いくどん(旧炭火串焼きいくどん)
東京都町田市原町田6-8-1 町田センタービル109マチダ 1階 外周
https://tabelog.com/tokyo/A1327/A132701/13103264/
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