新百合ヶ丘方面に用事があって、久しぶりに家族全員で出かけた。
帰り道、食事をして帰ろうということになり、尻手黒川道路を走って、川崎北部市場の手前あたり「舵輪(だりん)」に行ってみた。
以前、川崎北部市場に来た時、この辺りを散策して、レトロな雰囲気があるこのレストランが気になっていたのだ。ちょっと先には、ラーメンショップがあるので、正直迷ったが家族連れなので、たまには洋食屋へ。
これで僕一人だったら、うろちょろとして迷った挙句、ラーショに向かっていたかもしれない。
船のハンドルである、舵輪(だりん)をモチーフにした看板。
これを見ると、シーフードのメニューがメインなのかと連想する。
窓にかかっているカーテンがまた、カリブの海賊っぽくて良いではないか。
店先のホワイトボードにメニューがあったので、入る前に確認する。
スペシャルランチが1350円。
これでハンバーグもステーキも付いてくるとは安いではないか。
シーフードではなく、ステーキなどの肉がメインのようだ。
入店すると先客はおらず、道路が見える窓際のテーブルに案内される。
店員さんは丁寧な女性の方だ。
店内は、昭和レトロな雰囲気が漂い、昭和にタイムスリップしたような気分になる。
観光地に、昔からあるレストランに雰囲気が似ていると感じた。
船の模型や、ガラスの浮き球など、船や海をモチーフにした置物が並んでいる。
こういう雰囲気大好き。
ランチの時間帯なので、ランチメニューのみとのこと。
車で来ているのでノンアルだが、酒はビール、ハイボールくらいで、昼はそこまで種類はないようだ。
(店員さんに聞かなかったので、もしかしたらワインなど飲めるのかもしれない)
待っている間に、舵輪のデミグラスソースの拘りを読む。
当店のデミグラスソースは、1989年開店以来手作りで一回の仕込みに、牛肉10Kg野菜5Kgを毎日入れ10時間以上煮込み”毎日こす”という作業を一週間繰り返します。
舵輪のデミグラスソース
熟成されたソースをぜひ味わって下さい。ドレッシングなど他のソースもすべて手作りで無添加です。
お米は茨城県の農家より玄米を直送して頂き当店でその都度精米してます。
1週間以上かけて作っているデミグラスソースとは、これは期待度が高まる。
絶対に美味いに違いない。
まずはランチのサラダと、コンソメスープが運ばれてくる。
サラダのドレッシングも手作りとのことで、酸味が少し効いたやさしい味付けだ。
コンソメスープも胃に染み渡るような、やさしい味。
サラダを突き、スープを飲んでいると、ほどなくして子供2人の注文したメニューが運ばれてくる。
息子が頼んだ牛すじカレー(980円)。
牛すじがしっかりと煮込まれていて、どろっとしたカレーに溶け込んでいる。
目玉焼きが乗っているのが、なんともうれしいではないか。
ひと口もらって食べてみた。
ピリッと辛いが、子供でも全然食べられる程度の辛み。
牛すじの旨味と、原形をとどめない野菜の甘みが合わさって、カレー風味の牛すじごはんといった感じだ。
これは濃厚で美味い。
娘は、サービスステーキ(980円)。
妻は、特製デミソース・ハンバーグ150g(1,150円)を注文。
ステーキには、その場で店員さんがデミグラスソースをかけてくれる。
ステーキは薄めにカットされており、少しレアである。
お菓子が主食であるかのように、食事に対して感情をあらわにしない娘だが、このステーキは最高に美味しかったと言っていた。
僕のスペシャルランチ(1,350円)もやってきた。
スペシャルランチは、ハンバーグ100g、ステーキ100g、目玉焼き。
付け合わせは、人参、インゲン、ポテト。
これぞ洋食屋のハンバーグセットだ。これは見ているだけでうれしくなる。
まずはハンバーグにナイフを入れる。切れ目から肉汁がスーッと流れ出る。
すっとナイフが通り、口に入れると歯を使わなくとも、ふわっと溶けるような柔らかさ。
そこに濃厚なデミグラスソースの旨味が加わる。
この美味しさは、ここ数年で味わったことのない美味さだ。
デミグラスソースは、ファミレスのようなくっくりと分かりやすい味ではないものの、旨味がしっかりと感じられる、素材をフルに活かしたような美味しさ。
赤ワインが少し入っているのか、ワインのような酸味も感じる。
これがふわふわのハンバーグによく合う。
ステーキは薄いものの、焼き過ぎず少しレアで、これもまた柔らかくて美味い。
とにかくハンバーグの美味しさが際立っていて、ステーキの存在感が少し霞むくらいだ。
付け合わせの人参がまたうれしいもので、ハンバーグについている、あの甘い人参なのだ。
口に入れると甘ーい味と、デミグラスソースの味が合わさって何ともいえない美味しさ。
これが大好きだった。
昨今のファミレスでは、この甘い人参が付いていることはなくなってしまった。
久しぶりに子供の頃に食べたそれを思い出す。
ハンバーグってこういうもんだよ。
ステーキの下には、パスタが入っており、このパスタもコシがあって美味い。
ハンバーグとステーキの肉汁を絡めて食べると最高。
ナポリタンじゃないところが、本格的な洋食という感じがする。
ボリュームは100gなので、大人の男にとってみると、決して多くはない。
人によっては少ないくらいではないだろうか。
ライスもこれだけで足りるかなと思ったけど、ちょうどい良いバランスで、食べ終わると程良い満足感であった。
若い人には、ちょっと足りないかもな。
出る頃には12時過ぎていたが、客は我々のほかに常連さんっぽい一名のみ。
ここは場所的にも、地元の方が来る店なのかな。
ハンバーグの美味しさからいって、絶対にもっと流行ってもいい店だ。
久しぶりに美味しいハンバーグをいただいた。
ごちそうさまでした。
2023年09月訪問
レストラン舵輪
神奈川県川崎市宮前区水沢3-4-2 1F
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140507/14006550/