酒を飲んだ後の〆のラーメンを選ぶ。
これは酒飲みにとって、その日の酒の総括として非常に重要な儀式だ。
酒を飲んでいると、頭が欲しがっている味と、身体はちぐはぐになっていたりする。
こってりラーメンを食べたいのに、いざ食べてみたらひと口ふた口でお腹いっぱいになる。
そんなことはないだろうか。僕はある。
この日はもつ焼きで一杯やって、少々こってり気味だったので、あっさりしたラーメンが食べたい。
ふらふらと駅前の方へ歩いて行くと「つけめん哲」が目に入る。
ここのつけ麺美味いんだよな。
ぐつぐつと煮立ったスープに熱盛の麺を付けて食べる。
〆にラーメンのスープで雑炊。
思い出しただけで食べたくなってくる。
酔いも手伝い、気が付くと哲の扉を開いている。
食券の販売機を前にふと考える。
前も同じように酔って入って、つけ麺とお茶漬けで腹がパンパンで歩行困難になったじゃないか。
食べたい気持ちはあるが、同じことになりそうだったので、今回は「かけそば(580円)」を注文。
過ぎたるは及ばざるがごとし。
カウンター席に着いて、食券を渡すと、5分くらいでかけそばが出来上がる。
ネギと油揚げが乗っており、一瞬ラーメンではなく、蕎麦に見える。
ひと口すすると、これは紛れもなくラーメンだ。
つけ麺の少し甘みのあるスープに比べて、こちらはあっさりしたスープだ。
ホルモンとホッピーで満たされた胃に優しく沁みわたる。
これは〆には最高に美味いラーメンだ。
添え付けの黒胡椒と柚子七味も入れると、蕎麦のようなラーメンのような不思議な感覚。
だが、とにかく美味い。
つけめん哲はその店名の通り、つけ麺のイメージだったが、かけそばも隠れ美味いメニューだ。
町中華の醤油ラーメンもシンプルで〆に良いと思うが、このかけそばはそれとは違う美味しさ。
値段も580円、ボリュームはつけ麺に比較するとじゃっかん少ないが、〆に食べるのにちょうどいい。
これは酔客を狙ったメニューなのかもしれない。
だが、僕のような40代中年になると、〆のつけ麺、家系ラーメンなんかは、よほど調子が良い時しか選ばない。
そういう意味で言うと、この隠れたかけそばの魅力は、酔客には気づかれないのかもしれない。
よって、ここにそのことを記そうと思った次第である。
つけめん哲のかけそばは、酒飲んだ後の〆には最高だ。
2019年8月訪問
鶏と魚だしのつけめん哲
神奈川県川崎市高津区溝口2-8-12 東急田園都市線溝の口駅高架下
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140505/14042754/
<この記事の動画はこちら>
https://youtu.be/t_OGSxUuMTU