新百合ヶ丘エルミロードの5階、レストランフロアで昼飲みをしている。
最初の一軒目でここ「赤坂ふきぬき」でうな肝などで一杯やろうと思っていたのだが、待っている人が多かったので、名前だけ書いて、隣の蕎麦屋で待機していた。
何番目だったか忘れたが、相当後の方だったので、30分くらい蕎麦屋で飲んできたのに、まだ3組くらいが前に待っていた。ここのうな重ランチはいつも人気なのだ。
3組待ちは、諦めるには諦めきれない人数だ。
店頭の食品サンプルやメニューを眺めながらしばし待つ。
うざく1,250円、肝焼き700円、ひつまぶし4,000円。
これは高級店。ランチでなければ入れない。
高くて最高に美味しいものに散財するより、たくさん飲んで回って散財する。
そんな精神の僕にはランチ以外で入る資格はない。
10分以上待ってやっと店内に案内され、2人がけのテーブル席へ通される。
一席空いては、一組入れるという感じで、ランチタイムはずっと満席なのだろう。
客層は年配の方が多い。
この雰囲気と値段からいって、若者が来れる感じではない。
コスパを求めて他に行くだろう。
メニューを捲りながら考える。
鰻屋の一品料理で一杯やって、さらに〆に行こうかなと思っていたが、一品料理もそこそこの値段だ。
さてどうしたものだろう。
鰻屋に入っておいて、値段のこと気にしてるのかよ、と思われる方も多いかと思うが、こちとら小遣い制よ。
財布とメニューを見比べるのは、もはや習慣なのだからしょうがない。
値段を気にせず飲んだ試しなどない。
煮凝りやくりから焼きも良さそうだ。
その横のランチがやっぱりお得なのかな。
うーーーーん、迷う。
周りをみると、ほとんどの方がうな重を食べているようだ。
これを横目に一品料理だけで一杯やって出る、ってのはちょっと我慢できそうにない。
ひつまぶしも美味そうだな。
4,000円以上か…
安居酒屋なら2軒回れる。
まずは、アサヒ中瓶(720円)。
キンキンに冷えた細いグラスがいい。
瓶ビールを注ぐには、やっぱり飲みきれる小さなグラスがいいのよ。
きれいなテーブルに、グラスと瓶ビールが映えるではないか。
入店して、気持ち新たに飲むビールが旨い!
くーっと飲み干せるサイズのグラスがいいね。
10分くらいビールを飲みながら待つと、注文したうな重ランチ(1980円)が運ばれる。
鰻にしてはけっこう早いと思う。
隣でうな重食べているのを見て、我慢できるわけがない。
うな丼ではなく、朱色の重箱に入った鰻ごはんが映える。
ランチには、お新香と肝すい、山椒が付いてくる。
まずは目で楽しむ。
鰻なんて滅多に食べないので、目に焼き付けておく。
写真で見るのと、香り付きの映像ではまったく別物だ。
肝吸いがうれしいね。
うなぎといったら、やっぱり肝吸いと一緒に食べたい。
このうなぎの見た目と、立ち上る香りだけでビールが飲める。
とはいうものの、冷めてしまうので、まずは鰻に触らず、たれの沁みたごはんをいただく。
鰻のたれと、旨味が沁みたごはんだけでも十分に美味い。
そして、鰻を端から箸で切って、ごはんと一緒にいただく。
やはり鰻は美味い。
たれの味があっさりとして、甘さも控えめで、川魚独特の香りが鼻の奥に入ってくる。
鰻の旨味の邪魔をしないたれがいい。
鰻自体もふっくらしており、噛むと溶けるように口の中で分解され、旨味が口に広がる。
以前、どこぞで食べた鰻は小骨が引っかかる感じがしたが、ここの鰻は骨自体を感じない。
ちなみに、うちの息子は鰻大好きだったのに、小骨を喉にひっかけてから鰻が嫌いになってしまった。
嫌いというか、食べるのが怖いようだ。
鰻自体は脂身が少な目で、中国産の鰻のように肉厚ではないが、美味しい川魚を食べている感じがある。
川魚という表現が妥当かは分からないが、僕にとっては、美味しい川魚である。
鰻とごはんをかき込んで、追って熱々の肝吸いで流しこむ。
鰻の旨味から旨味へのバトンリレーのよう。
お新香がまた美味い。
自家製のようで、浸かり具合といい、パリッとした食感といい、ビールに合う。
お新香でビールを飲み、鰻と飯をつつく。
昼から何とも贅沢ではないか。
やっぱりうな重にしておいてよかった。
これを食べずに、この店を出たら後悔していただろう。
いや、この楽しみを知らずに、今日という日を損していただろう。
米粒ひとつ残さず、うな重を平らげてごちそうさまでした。
周りを見ると、随分と品の良さそうな紳士淑女の方々がいるように感じた。
会計は2,700円。
この値段なら、ちょっと贅沢しに来るにはちょうどいい。
鰻と焼肉はランチがお得だ。
2020年07月訪問
ふきぬき 新百合ヶ丘エルミロード店
神奈川県川崎市麻生区上麻生1-4-1 新百合ヶ丘エルミロード 5F
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140508/14054266/
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