平日に会社を休んで、昼間から酒を飲み歩く。
酒が好きなサラリーマンであれば、ひとつの憧れであろう。
みんなが働いている時間帯に、一人で酒を飲む背徳行為は余計に酒を美味くする。
仕事終わりの一杯が癒しなら、平日昼間の酒は禁断の快楽だろう。
この日2軒ほどはしごして、3軒目に一軒め酒場へ。
三軒茶屋の一軒め酒場にはよくお世話になっていたのだが、閉店してしまい、しばらく一軒目ロスになっていた。
一軒め酒場は繁華街に行くとよく見かけるが、よく見かけるがゆえに、通り過ぎてしまうことが多い。
いつもそこにあると思って、いざ行こうと思って探すとない。
いつも近くにいる女性が、実は一番魅力的なことに気が付かない。
僕にとって、そんな居酒屋が一軒め酒場なのだ。
入店すると、先客が一名のみ。
平日のランチタイムも過ぎているので、まあそんなもんだろう。
メニューに目を通す。
いつもは神田旨カツ、揚げたてなどをつまむが、この後もあるので、がっつりした揚げ物は控えておこう。
すぐにできるスピードメニューもある。
お通しは出ない店なので、こういうメニューを別にしてくれているのがうれしい。
ゆっくり気長に飲む酒飲みもいれば、異常にせっかちな酒飲みもいる。
特に川崎は色々な方がいるので、こういうのはいいと思う。
いつものレモンサワー(190円)を注文。
ちゃんとカットレモンも入っているのに、缶チューハイ並みの値段だ。
空いている昼下がりの居酒屋で飲むレモンサワーはいつも以上に美味い。
赤ウインナー(220円)を注文。
家でも食べられるような赤ウインナーをなぜか注文してしまう。
居酒屋メニューに赤ウインナーの記載をみると、なぜか輝いて見えてしまうのは僕だけだろうか。
昔、深夜食堂という漫画で、赤ウインナーを食べている人が出ていて、それを見てから、居酒屋における
赤ウインナーがなぜか特別なものに見えてしまうようになった。
油で揚げてある赤ウインナーは艶やかに光る。
下に敷いてあるキャベツは油でしっとりとして、揚げ物を控えたつもりが、結果的に揚げ物を頼んでいるようなものである。
辛子を付けて赤ウインナーをひとくち。
どこで食べてもどこまでいっても、赤ウインナーの味だ。
そこにレモンサワー。
チープな感じの味だが、それがまたいい。
安く飲むってこういうことなんだ。
続いて、油揚げの納豆はさみ焼き(220円)が到着。
結局は油で揚げたものを選んでしまう。
中には、甘い味付けのひきわり納豆が入っている。
納豆というともう少し出汁醤油風味かと思っていたので、ひと口噛んだ時に、その甘さに少しひるんだ。
思った以上に甘い納豆だ。
これが厚揚げ納豆だったらちょっと厳しいが、薄い油揚げに包んであるので食べやすい。
レモンサワーをお替りして、飲みながらぼーっとする。
職場の同僚は今頃ランチが終わり、業務を開始し始めたころか。
仕事の電話がかかってこないか、最初はびくびくしていたが、ほどよく酔いも回り、どうでも良くなってくる。
平日の昼に飲むってこういうことなんだ。
ぼんやりとそんなことを考えながら、レモンサワーを飲み干しお会計。
レモンサワー2杯につまみ2品で902円。せんべろだ。
平日は空いているし、カフェ代わりに一杯飲みながら過ごすのにいい店だ。
2020年10月訪問
一軒め酒場 京急川崎店
神奈川県川崎市川崎区砂子1-1-12
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140501/14044384/
<この記事の動画はこちら>
https://youtu.be/f0-SuzeVM6A