登戸駅を降りてすぐの居酒屋「源氏」。この店もなかなかに入るのにハードルが高い店であった。
もう20年近く前の記憶だが、看板には戦国武将だか花魁のような絵が描いてあり、居酒屋なのかスナックなのか、
なんだかよくわからない店だったように思う。
店名の源氏は、源氏物語とかその時代のイメージなのだろうか。
勝手なイメージだが、看板の感じから戦国武将のような店主がいて、注文するにもおっかなびっくりな
感じではないかと想像していた。
それが改めて店先を通ると、看板も至ってノーマル、沖縄料理が売りの店に様変わりしていた。
普段素面であればとりあえず素通りするところだが、今日はすでに2軒飲んできている。
ここはこの勢いで入ってみようか。
店内はテーブル席が何席かとL字のカウンター席。
すでに地元の常連と思しき方々でテーブルは満席。
なぜ地元の常連と思うのか、それは服装がジャージ、サンダルなどその辺から歩いてやってきた、
とした思えない雰囲気の方々ばかりだからだ。
じゃっかん偏見だが、昔このあたりでやんちゃしていた感じの同年代っぽい方もちらほら。
昔から地元で愛されている店なのではないかと勝手に想像を膨らませる。
カウンター席に着いて、まずはオススメメニューを拝見。
沖縄推しだけど、漬物なんかもあり、値段もそこそこ良い感じ。
沖縄そばもちゃんとある。
戦国武将の看板イメージだったので、途中から沖縄料理を取り入れて雰囲気変えたのかなあ。
まずは酎ハイ(480円)。
色々飲んできたので、ここではすっきり行きたかった。
お通し(値段不明)は春雨。
なんだ春雨か・・と正直思ってしまったが、これが意外に美味かった。
気に入ったのがカウンター。
ちゃんと肘がかけられる仕様になっているのだ。
このくぼんだところにすっと肘と腕を置くだけで、けっこうくつろげるのだ。
たまに居酒屋でこのカウンターがあるけど、やっぱり僕はこの仕様が好きだ。
姿勢が悪いからなのか、もたれかかって飲めるのが楽なのだ。
カウンターごしに聞こえるお店の大将の味のあるしゃがれた声が響く。
なんかどこかで聞いたことある声だな、なんて思いながら酎ハイを傾けているとポーク玉子(500円)が到着。
薄い卵焼きにスパムが入っているようだ。
一口食べると、スパムの塩気と卵がよく合う。
スパムおにぎりにも入っているけど、卵とスパムは相性が良いんだな。
これはシンプルだけど美味い。家でも作ってみたい。
ケチャップを付けると、ケチャップの酸味でより卵の甘みが引き立つ。
これがスパムの塩気と混ざり合って、すっきりした酎ハイによく合う。
ここは酎ハイで正解だった。
頼んだのはこのポーク玉子一品のみだが、ちょっとつまんで飲むには十分な量だ。
こういうシンプルなつまみはいいな。
勝手に常連と仮定した他のお客さんの声に耳を傾けながら、カウンターで静かに一人飲む。
喧騒の中にあるからこそ、一人静かに自分の世界に入れるというところもあろう。
よく喫茶店やファミレスじゃないと勉強できない、しんとした静かな部屋では逆に集中できない、
という方がいるが、まさにその酒飲みバージョン。
ちなみに僕は仕事や勉強は、オフィスまたは自分の部屋で静かにやりたい派だ。
酎ハイ2杯、お通し、ポーク玉子で1,720円。
ごちそうさまでした。
登戸の夜は長そうだ。お先に失礼します。
2021年11月訪問
源氏
神奈川県川崎市多摩区登戸3402
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140506/14061070/
<この記事の動画はこちら>
https://youtu.be/6hhoY9uraus