チネチッタ川崎方面ではしご酒をして、ふらふらと歩いて南町方面へ向かっていく。
南町方面へ歩いて行くと、川崎駅前とは打って変わって、途端にディープな雰囲気になってくる。
やってるのかやってないのか、よく分からないお店がちらほらと目に付く。
そんな中で、目立つ赤い看板を発見。
一瞬持ち帰り専門のお店かと思ったら、飲食店らしい。
中国西安名物「回味(カイミ)」
本場の中国料理、いわゆるガチ中華というやつだろうか。
普段なら入らない感じの店だが、酔いが回っているせいか、少しチャレンジしたくなってきた。
看板には中華ハンバーガーが名物のように書かれている。
ハンバーガーという気分でもないが、たまにはこういう店も面白そうだ。
店内はカウンター席のみのようで、こじんまりとした感じ。
個人でやってる小料理屋のような規模の店だ。
メニューを手に取って確認すると、あまり馴染みのないメニューが並ぶ。
写真が付いているものの、味の想像があまり出来ないものが多い。
中国語?がメインで、日本語はフリガナ程度。
日本人でなく、中国人向けのお店なのだろうか。
四川料理がメインのようで、アヒルのメニューも並ぶ。
アヒルといえば、北京ダックかピータンくらいしか知らないが、エリ、アヒルの爪などもある。
これはせっかくなので食べてみたい。
まずはウーロンハイ(300円)を注文。
濃くはないけど、300円は安い。
ウーロンハイを飲みつつ、アヒル頭(500円)を注文。
想像していたより、アヒルの頭そのものだ。
当たり前と言えば当たり前なのだが、真ん中から真っ二つに割られた頭がそのまま出てくるとは思わなかった。
くちばしがまたリアルである。
少々グロテスクだが、こういうのを求めていた自分もいる。
煮詰められているような色をしている。
ところで、どうやってどこを食べて良いのやら。
くちばしは食べれないとして、顔の表面から歯を立ててみる。
顔の皮を歯でこそげ落とすように食べる。
味はなんとも言えない感じ。
なんだろうな、日本食の中にはない味で表現が難しい。
裏返して脳みその部分を食べてみる。これは肝のようでなかなか旨い。
しばしアヒルの顔と格闘していると、舌の上に辛さがじりじりと広まってゆく。
まとわりつくような辛さ。これは辛い。
シーシーハーハー言いながら食べつつ、店員さんに食べ方を聞くと「日本人の方ですか?」と質問に質問で返される。
言われて気が付いたのだが、周りは全員中国系の方らしく、日本語は一切聞こえてこない。
各々現地の言葉でしゃべり、麺などをすすっている。
現地の方々が故郷の料理に思いを馳せる場所なのかもしれない。
若い学生さんのような男女が多い。
アヒルの頭の食べ方に戻るが、店員さんいわく、丸ごとくまなくしゃぶり尽くすらしい。
答えのようでいて求めていた答えとも違った。
辛さにヒーヒー言いながら食べ、ウーロンハイで辛さを洗う。
アヒルハツ(500円)も注文。
これも初めて食べる。見た目はけっこうグロい感じがしないでもない。
一口食べると、これは辛くない。
アヒル独特の香りなのか、じゃっかん獣臭さのような香りがする。
悪くはないが、たくさん食べるものでもないな、という感じ。
とにかく口の中が辛いので、ハイボール(350円)を追加。
時々店員さんが様子を見てくれているようで、辛いですね、と声を掛けると笑顔で返される。
アヒルの頭2匹分をとにかくひたすら齧り倒す。
辛い辛い。
見た目がおとなしそうに見えるが、後からじりじりとまとわりつくような辛さだ。
これはある意味ハイボールがすすむ。
なんとかアヒルの頭とハツを平らげ、ごちそうさまでした。
会計は1,650円
周りを見ていると、麺類を食べている方が多く、そっちがおすすめだったのかなと思う。
しかし、こういう本場料理ならではの食材を食べてみるのもまた楽しいものだ。
飲み歩きとは予定調和でない方が面白い。
そう考えて店を後にする。
舌の上はまだ辛い。
2021年04月訪問
中国西安名物回味
神奈川県川崎市川崎区小川町2-9
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140501/14082904/
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