蒲田で2軒ほど飲み歩いて、その足で大井町へ移動。
大井町、大崎周辺は仕事で何度か行き来することはあったけど、飲んだことは一度もない。
大井町駅の周辺には小さな居酒屋がたくさんある。
歩きながら居酒屋を眺めて、ここで飲んでみたいなあ、なんて考えていた。
駅を降りて、目の前の大通りの横断歩道を渡らず、大通りから一本裏の大井町横丁へ移動。
初めて歩いてみたが、まあここはわくわくする。
居酒屋、スナック、中華食堂なんでもござれ。
新旧の飲食店がひしめき合っている。夜に来たらさらに良い雰囲気なのだろう。
一軒一軒は小さな店が多く、一人で入るのに勇気がいる店も多々ある。
ボッタくられたり、取って食われるわけではないのだが、なんというか一見お断りみたいな空気すら感じる。
いや、これは僕自身小心者であり、人見知りな性格ゆえにそう感じてしまうのだろう。
歩いているだけで楽しいのだが、飲みに来たのだ。
店を眺めているだけでは酔えない。
横丁の終わりまで一通り歩いて社会見学をして、駅方面に戻る途中で、手書きのメニューの看板を発見。
鰻、馬肉、滋養、この漢字を見た瞬間にもうこの店に惹かれていた。
滋養とかスタミナという言葉に滅法弱い。
店先を見ると、さらにニンニク、ハブ酒、鰻串、レバニラ。
40代の滋養強壮を煽る言葉の数々。
もうここに入るしかない。
店内に入るとカウンターには何名か先客がおり、空いている席へ通される。
15時くらいに入店したので、昼めしというよりは早めに飲んでいるという感じの客が多い。
昼めしの店ではないか。
早速メニューを見ると、鰻串が目につく、鰻料理が推しのようだ。
よく鰻と梅干の組み合わせは腹を壊す、と言われたものだが、ここでは「鰻には梅」。
コーラを飲むと骨が解ける、牛乳は嚙んで飲む、という非科学的なことを親に言われて育った世代としては、
昭和の都市伝説を真っ向から否定する、その言葉に共感を覚えた。
あの当時、親に言われたことは何だったのだ?僕はいまだにそういうことを考える。
まずはサッポロ黒ラベル生(539円)。
この店で、はしご酒5軒目なのだが、このくらいになると酒を選ぶということすら面倒になってくる。
出てきた酒を飲んでもいい。そう思えてくる。
お通し(319円)は、なすの煮びたし。(という名前だったと思う)
これが美味かった。
こういうさっぱりとした美味いお通しはうれしい。
お通しをつまみながらビールを飲んでいると、隣の年配のお客さんに話しかけられる。
よく一人でカメラを片手に東京を散歩されるそうで、同じようにカメラを持って飲んでいる僕に興味が湧いたようだ。
少し世間話をしていると、ほどなくして鰻串が出来上がった。
頼んだのは、鰻串くりから(319円)、うなぎ肝(319円)。
くりからとは、蒲焼用に鰻をさばいた際に、余分になった破片を寄せ集めて焼いたもの。
くりからは脂がよく乗っていて、食べ応えがあり、ビールにも合う。
うなぎ肝はぷりっとして大き目でこれも美味い。
味付けもべったり甘いたれではなく、あっさりしていて、鰻自体の旨味をよく味わえる。
鰻を食べているという事実だけで元気が出てきそうだ。
ビールを飲み干して、まだ鰻串が残っているのでもう一杯追加。
今度はハイボール(429円)。
酔いで思考が停止状態になってくると、自然と口から出てくる言葉はハイボールかビール。
ハイボールで残りの鰻串を堪能し、ごちそうさまでした。
メニューを見るとすっぽんスープなどもあり、興味をそそられたが、もう少し飲み歩きたいので、これにて終了。
鰻串2本とビール、ハイボールで1,925円。
飲み歩きを目的としてお店に入ると、いつも名残惜しさを感じながら店を出ることになる。
サクッと飲んで次に行く。
この名残惜しさもまた、はしご酒の味なのだ。
うな串焼鳥う福 大井町
東京都品川区東大井5-2-9 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1315/A131501/13258533/
<この記事の動画はこちら>
https://youtu.be/3i9NqTT4p98