会社を提示で早々に退社して、溝の口の老舗居酒屋「酒蔵十字屋」へ行ってきた。
駅から溝の口西口商店街の奥を右側に逸れると、大きな看板が目印だ。
ここは3階まですべてが同じお店で、大宴会場もあったりして、一人飲みから忘年会等幅広く利用される、溝の口の名店。
この居酒屋は十字屋焦点というスーパーも経営しており、昔ながらのスーパーで、特に魚介類に
関しては時々変わったものも売っている。
(冬はクリオネなんかも売っているそう)
溝の口には居酒屋がたくさんある中で、古いながらも愛されるお店で、時間によっては満席で入れないことも多い。
僕が会社帰りに寄ろうとすると、たいていは満席で入れない。
この日はたまたまカウンターが2席ほど空いていたので、迷うことなく入店。
店内はほぼ満席で、スーツ姿の方がテーブル席を占めていて、カウンターで一人飲みをしている方は、
自分も含めて普段着の方が多い模様。
40代の自分より年配と思しき方が多く、自営業などで仕事が終わってふらっと来ているんだろうな、という雰囲気。
着席してすぐにお品書きを見ると、刺身、一品おつまみ、炒め物、揚げ物なんでもござれ。
餃子、麻婆豆腐、チャーハンなどの中華料理まである。
大衆食堂に定食を食べにくるような感覚でお酒なしでも楽しめそうだ。
(僕には酒ナシは無理だが)
店内を見回すと短冊にもおすすめメニューがあり、これは迷う。
とりあえずホッピー白(400円)で喉を潤そう。
空腹に濃いめのホッピーをすっと流し込むと、じんわりと胃が温かくなってゆく。
デスクワークで凝り固まった何かが溶けていくようだ。
お通し(270円)はイカとあさりとわかめの酢味噌和え。
田舎のおばあちゃんが作ってくれそうな、何とも言えない家庭的な味わい。
こういうお通しはうれしい。
店員さんも年配のおばあちゃんに近い方が多く(失礼)、年季の入ったカウンターと相まって
田舎料理を食べている感じがたまらない。
きゅうりの一本漬け(280円)を注文。
浅漬けとたっぷり漬けが選べて、僕はたっぷりと漬かっているほうが好きなので後者を選択。
仕事終わりは、焼肉屋ホルモンなどがっつり食べたい時もあれば、疲れているとあっさりしたつまみで、
酒の酔いを楽しみたい時もある。
19時くらいまで晩ごはんを口にしないと、空腹を通り越すことがよくある。
たっぷり漬けだが、そこまで漬かりすぎてもおらず、しょっぱすぎず、一本食べるにはちょうど良い塩梅。
仕事終わりは、こういうさっぱりした物がすっと胃に通る。
さて、何か腹にたまるものを、と周りを見回すとお刺身の日替わり三点盛り(880円)を頼んでいる人が多い。
あれ食べたいな、と人が食べているものを見て頼むのも居酒屋の楽しみ。
三点盛りを、と勢いよく注文するとすでに品切れとのこと。
そんな~、、という感じでほかのメニューを選んでいると、気の毒に感じたのか店員のおばちゃんが、
「あまっているお刺身でよければ」とのことで、注文を通してくれた。
よほど気の毒に映ったのだろうか・・
いや、優しさですな。これぞ人情酒場だ。
しばらくして、三点盛りが到着。
船に乗ってやってきたのは、マグロ、鯛(?)、なかおち、馬刺しの四点盛り。
余り物どころかラッキーセットじゃないか!
しかも四店だし。
余り物には福がある、を具現化したようなお刺身盛りであった。
馬刺しも入っているのはかなりラッキーだ。
訪問したのは3月、そろそろ桜の時期ということで、船盛に桜の演出がにくい。
この日は、三点盛りの数だけ桜が咲いていた。
刺身といえばお酒。
ここは日本酒でいこう。
ということで、会津ほまれ大徳利熱燗(600円)を注文。
熱燗も熱すぎず、ちょうど良い塩梅。
まだ少し肌寒い時期、熱燗に刺身が美味い。
特に馬刺しに熱燗が合う。
馬刺しを口に含んで一口二口咀嚼して、そこに温かい日本酒を含むと、脂の甘みが引き立つ。
芋焼酎のお湯割りも合うけど熱燗もいいな。
三点盛り、いや四点盛りを平らげてごちそうさまでした。
メニューはかなり多いので、十字屋は何回来ても楽しめるお店だ。
川崎近隣のサラリーマンの心と胃を何十年も満たしてきたのだろう。
ホッピー白、中お替り、熱燗、きゅうりの一本漬け、三点盛りで2893円。
ほろ酔いでちょうどよい満足感だった。
2020年3月訪問
酒蔵十字屋
神奈川県川崎市高津区溝口2-6-13
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140505/14013753/
<この記事の動画はこちら>
https://youtu.be/iHZbXudTLXU