溝の口駅を降りて一杯飲み、すでに暗くなっている総合高津中央病院の前を通り過ぎる。
もう1軒くらい軽く飲んで帰りたい、そう思いながら歩いていると「酒屋敷Gosso」の前を通り過ぎる。
この店の2階にあるインドカレーの店には、若い頃に何度も行った覚えがある。
今も同じ店なのかは不明だが、20年以上前もそこはインドカレーの店だった。
インドカレーで飲むという手もあるが、通りかかったごっその店内を覗いてみる。
中を見る限り、雰囲気あるお店で良さそうだとは思っていた。
しかし、それゆえに一人飲みで入る雰囲気ではないなと思い、いつも足踏みしていた。
だが今日は酔っていることもあり、中を覗くと幸いにも空いている。
タイミングが合わないと入らない店もある、こういう機会を逃すのは人生の損だ。
ということで、恐る恐る入店してみた。
一人飲みでも大丈夫ですか?と恐縮しながら店員さんに確認すると、2人テーブルへ通された。
ぐっと腰を沈められる座り心地の良い椅子だ。
ガッチガチの硬い木の椅子か、スタンディングで飲んでいる僕にとって、寝てしまいそうなふかふかの椅子だ。
酔っぱらって寝てしまう人もいるのではないだろうか。
それは居酒屋のカチカチ椅子でも同じだが。
店内はエキゾチックな雰囲気で、串焼きの店とは思えない。
酒屋敷というより、バーかラウンジという言葉が合う店内。
おすすめメニューは串焼きなどの鶏料理がメイン。
酒は焼酎が色々あるようだ。
店内にも焼酎の瓶が飾られている。
焼酎好きなら知っているような銘柄は網羅されている。
まずい生ビール(590円)。
1杯飲んできたけど、環境が変わった最初の1杯は美味い。
改めてグランドメニューに目を通す。
グランドというか、その日によってメニューが違うのかもしれない。
創作メニューが多いようで、よく説明を読まないと酔った頭では想像のできない物もある。
お通し(450円)はサラダ。
升に入ってくるという時点でもそうだが、サラダがお通しとは珍しい。
新鮮な野菜を仕入れているようで、色鮮やかな見た目は女性にも人気がありそうだ。
どうしても外で飲み歩くと野菜不足になりがちなので、強制的にサラダはうれしい。
男性脳にはなかなか野菜が想起されないのだ。
サラダの野菜は歯ごたえが新鮮でドレッシングが美味い。
酔っぱらった舌でも分かる新鮮さ。
賞味期限39秒!とのことであみ肝串(1本290円)を注文。
焼き物と一緒に、すでにカウントが始まっているストップウォッチも登場。
これは演出だろうと思うが、ストップウォッチがあると焦る。
39秒という時間はあっという間に過ぎたが、表面を脂が光るあみ肝焼きは美味かった。
噛みしめると中からも肉汁が出てきて、口の中が脂と肉汁で溢れる。
これはたしかに熱いうちにササっと食べたい。
ビールを飲み干しハイボール(450円)を追加。
照明に照らされているせいか、やけに高貴なハイボールに見える。
せっかくなので、もう1品何か食べてみようかと、店員さんにおすすめを聞くと「石焼きポテトサラダ」がおすすめとのこと。
すでに満腹感も出ていたので、ボリュームがあるのか確認すると「残してもいいから絶対に食べてみて欲しい」と言われた。
女性店員にそこまで言わせておいて、注文しないのは男が廃るので、石焼きポテトサラダ(690円)を追加。
おすすめする時に、絶対に!という言葉使いが可愛らしいではないか。
しばらくすると、ジュージューと音を立てる石窯を持って店員さんがやってくる。
そして、その場でポテトを潰し調理を始める。
ジュージューと調理をしながら、女性店員さんは作っている間に色々話かけてくれる。
若い女性と話す機会は仕事でもかなり少ないので、すごく新鮮だ。
料理をしてくれて、話しかけてくれると段々と身をまかせたくなるような、そんな気持ちになってくる。
赤ちゃんか幼児に戻って甘えたくなるような、そんな気分。
自分にはこんな性癖があったのか、とハッとさせられた。(キモくてごめんね)
そんなこんなでポテサラが完成。
店員さんは去り、熱々のポテサラとほんの少し寂しさが残る。(キモくてごめんね)
ぐつぐつと音を立て、熱々のクリームソースとポテトをスプーンですくい口に運ぶ。
クリームソースの味と黒胡椒のピリ辛さが絶妙で最高に旨い。
たしかにこれは旨い!
絶対食べてみて欲しい、という言葉に偽りなしだ。
本当に美味しいよ!そうさっきの女性店員さんに言いたい気分に駆られたが、すでにそこにその姿はなかった。
ポテサラというと、ジャガイモがすりつぶされているが、これは芋の原型が残っており、その食感がまたいい。
ごろごろとした野菜の食感がほどよく味わえる。
ベーコンやブロッコリーなども入っており、ほどよい塩気とクリームソースの味がいい。
上に乗せてある温泉卵の黄身をよく混ぜて食べると、濃厚な旨味が出て二度美味しかった。
熱すぎて口の上部を火傷したが、それでも夢中になって食べてしまった。
これはポテトサラダというより芋の創作料理だ。
酒も進みハイボールお替り。
残してもいいから、と言われたがまったく問題なく完食。
ふかふかのシートに埋もれると寝てしまいそうなので、ハイボールを飲み干しお会計。
会計は3,530円。
この店の系列店にも行ったことあるが、若い店員さんが元気なお店という印象はここも同じだと感じた。
どの料理も手が込んでいそうで、今度1軒目にちゃんと行きたい。
店内の奥はよく見えなかったが、カウンター席もあればいいのに。
(なかったようなので)
そう思った。
2022年06月訪問
酒屋敷ごっそ 溝の口店
神奈川県川崎市高津区溝口1-18-12 アーベインビル1F
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140505/14035029/
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