高津駅の居酒屋チェーンで酒を飲み、溝の口駅方面へとふらふら歩いて来た。
途中、沖縄料理屋に入ろうか迷ったが、こじんまりとした店内は客で溢れていたので、諦めて駅の方に歩を進める。
21時を回っており、出来上がった酔客は盛り上がり、なかなか一人でゆっくり飲めそうな店が見つからない。
ポレポレ通りをうろうろとし、気になっていた「都夏(つげ)」の前へやってきた。
ここは比較的新しくできた店で、気にはなっていたけど、一人飲みで使う雰囲気でもなさそうだと、入ったことはなかった。
外席には、若い男女のグループが飲んでおり、孤独な40代が足を踏み入れるには、少々ハードルが高いと感じていた。時間も時間だし、今からがやがやとした居酒屋の喧騒に身を置くのも少し疲れる。
今日は多少酔いが回っており、こういう店は酔った勢いでしか入れまい。
ということで、意を決して店内へ。
店内には凧など和風の内装で、かなりおしゃっれな和の空間。
テーブル席多く、グループ客が賑わう中、一人カウンター席へ通される。
カウンター席には自分一人だ。
目の前で板前さんが料理している姿がよく見える。
和風の店内だけど、フライパンでジュージューと音を立てて何かを作っているのが、アンマッチでいい。
入ってみれば店内は広々として、一人でも居心地が良い店ではないか。
グループ客が賑わうテーブル席と、カウンター席に仕切りがあるのもいい。
酒のメニューに目を通すと、日本酒のメニューに目が留まる。
「秋田の酒もあるのか」と少し迷うが、グラス一合の値段やら今のコンディションを考え、少し逡巡する。
酒のことを考えながら、料理のメニューにも目を通す。
焼き物、刺身、すぐ出る一品料理など。
値段はこういうちょっと雰囲気のあるお店の価格設定だ。
大衆酒場の値段とは少々異なる。
牡蛎のメニューが色々とあるので、牡蛎でも食べようか。
迷った末に、日本酒にはいかずメガ角ハイボール(530円)。
今日は質より量を取る。
お魚いろいろ南蛮漬け(450円)を注文。
底の方からよく混ぜて食べる。
キュッと酢の酸味が効いた味が、酔った胃を引き締める。
暑い時期の酢の酸味が美味い。
3種類くらいの魚が入っているようで、ブリやサバなのかな。
色々な食感を楽しめるのがいい。
生ガキ(420円)も注文。
北海道の仙鳳趾(せんぽうし)産とのこと。
レモンを搾り、特製のたれをかけて、つるっとひと口でいただく。
海のミルク、その言葉通りの美味しさ。
牡蛎といえば、酒蒸しや鍋でしかあまり食べたことなかったのだが、お店で生ガキを食べると世界観が変わる。
牡蛎=磯臭いというイメージで、家人はあまり食べないのだが、一度生ガキを食べさせてやりたいと思った。
生ガキの濃厚な後味をハイボールで流し込む。
割りばしの袋には「ご縁に感謝」という文字が。
何気ないこういう言葉に、お店の誠意とか思いが表れているように感じる。
いい、こういうのいい。
何かもう一品、水ナスと迷ったが、揚げ出し豆腐なすと共に(680円)を注文。
揚げ出し豆腐の上に、細切りの茄子、オクラがたくさん入っている。
だし汁をスプーンですくうと、透明なだし汁の色に薄味なのかなと思いきや、ひと口飲むとしっかりと出汁の味が効いている。
揚げ出し豆腐の衣が薄いのも自分好みだ。
さっぱりして酒飲んだ後に食べるのにちょうどいい。
酸味の効いた南蛮漬けと、揚げ出し豆腐でハイボールを飲み干し、酎ハイ(420円)を追加。
全体的にさっぱりとした京料理のような味わいなので、日本酒か邪魔にならない酎ハイがよさそうだ。
酎ハイは甘みがない、すっきりとした焼酎の味を感じる。
さっぱりとした料理に、すっきりとした酎ハイ。
暑い季節になかなか良い組み合わせだ。
揚げ出しがかなりボリュームあったが、さっぱりと全部平らげた。
酎ハイを飲み干し、ごちそうさまでした。
会計は3,030円。
溝の口で飲もうとすると、ホルモンや焼鳥なんかが目立つけど、京料理のようなさっぱりとした味わいを楽しみたい時はこの店が良さそうだ。
雰囲気も良いので、カップルや大人のグループで来るのが良いだろう。
2022年09月訪問
都夏 溝の口店
神奈川県川崎市高津区溝口1-12-12 1F
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140505/14069425/
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