野郎に生まれたからには、肉を食って酒を飲みたい日もある。
いつも通り定時に退社した僕は、肉と酒を求めて、溝の口の駅を降りた。
野郎はいつだって一人焼肉だ。
たまい本店の焼鳥が焼ける香りを全身に浴びながら、「にく野郎」の看板の雑居ビルに足を運ぶ。
そういえば、このビルに足を運ぶのは初めてかもしれない。
店内は薄暗く大人な感じのする落ち着いた雰囲気。
にく野郎という店名とは打って変わった雰囲気だ。
同じビルにある鳥貴族のようなわちゃわちゃした雰囲気かと思っていた。
一人で店内に入ると、広めのテーブル席に通される。
仕切りがあるので、個室のようにくつろげるのがいい。
テーブル席を一人で陣取ってこそ野郎の焼肉なのだ。
メニューに目を通すと、カルビが399円からと安めの値段設定だ。
キムチなども一品料理も399円と安い。
メガ祭りなるものをやっているらしく、肉1Kgで2,999円。
これは食い盛りの学生にはもってこいだ。
値段も安いので、若い人ががつがつ食べて飲む、そういう使い方をするお店なのだろう。
酒メニューは可もなく不可もなく。
焼肉飲みに多くの酒の種類は必要ない。
ビール、ハイボール、ホッピーなんかがあればそれでいい。
まずはアサヒスーパードライ中ジョッキ(499円)。
仕事の後の乾いた喉を潤す。
スーパードライは好き嫌いの別れるビールのようだが、僕は結構好きだ。
前菜として白菜キムチ(399円)を注文。
特にキムチを欲していたわけではないのだが、焼肉に来るとキムチを注文するのは半ば儀式に近い。
キムチは無難な感じ。可もなく不可もなく。
個性がないと言えば個性はないが、ここはキムチ専門店ではない。
肉はにく野郎盛り(1,399円)を注文。
カルビ、ロース、ハラミの3種類。各1.2人前とのこと。
これが食べ応えありそう。
まずはカルビから焼いていく。
チェーン店で出てくる感じの薄いカルビで、網に乗せたそばからすぐに焼けるので油断ならない。
焼けたカルビをたれに付けていただく。
たれは甘口で無難に美味い。
安い焼肉にありがちな肉質だが、これはこれで美味い。
安いものにそれ以上のクオリティーを求めてはいけない。
肉と酒を安く楽しめればそれでいいではないか。
カルビと共にビールを飲み干し、ホッピー白セット(399円)を追加。
肉を焼きながら飲むホッピーがまた美味いんだ。
コンロの熱が顔を温め、さらに酒が進む。
カルビを平らげ、ロースを焼き頬張る。
歳のせいか、最近ロースがやけに美味い。
ホッピーの中身を追加し、さらに肉だけを食べてゆく。
野郎の焼肉だけあって、3点盛りだけで十分な量だ。
熱さでアルコールが飛んだのか、ホッピーを飲み干し、ニッカハイボール(399円)を追加。
七輪とかコンロの前で酒を飲むと、いつもより量が飲める気がするのは気のせいだろうか。
心なしか二日酔いにもなりにくいような気がする。
今日は酒も肉もいくらでも食べられそうだ。
広いテーブル席という開放感、個室のような閉鎖感が、酒欲と食欲をさらに増殖させているようだ。
しかし食べても食べても肉がある。
次に何を頼もうか、考える必要すらないほどの肉がある。
カルビはペラペラだったけど、ハラミはそこそこ肉厚で食べ応えがある。
これはごはんが欲しくなる。
肉を平らげ、ハイボールを飲み干し、ごちそうさまでした。
しっかりと肉を食べた満足感と、ほどよい酔いが心地いい。
会計3,620円
会計を済ませると、ガムをくれた。
子どもの頃、最後にガムをくれる焼肉屋ってなんだか好きだったな。
ちなみに僕はガムを噛んで飲んじゃうくせがあって、それは30代くらいまで続いていた。
ここ最近かな、やっとガムをちゃんと出せるようになったのは。
野郎はちまちまとガムを紙に出すことなんてしないのだ。
2020年10月訪問
溝の口焼肉 にく野郎
神奈川県川崎市高津区溝口1-12-5 永原ビル 2F
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140505/14055613/
<この記事の動画はこちら>
https://youtu.be/3mqtahFNC_g