溝の口の居酒屋事情を語るうえで、絶対に外せないのがこの「たまい本店」。
昭和42年創業とのことで、かなりの老舗居酒屋だ。

僕は20代の頃からお世話になっており、会社の同僚との飲み会、送別会、一人飲みなどあらゆるシーンで利用させてもらっている。
この日は開店と同時に入ろうとしたら、すでに開店待ちのグループが数組。
開店待ちがあるとは、今の今まで知らなかった。さすが人気店だ。

溝の口のソウルフード金運つくねの店
溝の口のソウルフード金運つくねの店

開店待ちをしているのは、ほとんどグループ客で、一人飲みは僕だけのようだ。
カウンターは選び放題で、僕は奥の調理場の見える位置に座った。

調理場の見えるカウンター席
調理場の見えるカウンター席

まずは今日のおすすめメニューに目を通す。
刺身、焼き魚、焼き物、季節によって、日によってメニューが変わるので、眺めているだけで楽しい。
おすすめには地酒も入っている。地酒に関していえば、ちょっと料金は割高感は否めない。

今日のおすすめ
今日のおすすめ

通常の酒メニューも充実している。
たまいの名物は、大きな青竹に入ったみぞれ酒が名物だ。
これはシャーベットのように、半分凍った日本酒となっており、暑い季節にはなかなかいい。

酒のメニュー
酒のメニュー

コロッケやハムカツといった、揚げ物も充実しており、なかでも名物は金運つくねだ。
これは少し小さいハンバーグくらいの大きさがあり、卵の黄身がついている。
たれが甘辛く絶妙な味で、つくね自体も外がカリッとして、中は軟骨の歯ごたえを感じる一品だ。
今回は注文しなかったので、下の記事を参考にしてほしい。

金運つくねの記事はこちら

金運つくねは、たまいグループの店舗なら、大体どこでも食べられる。

つまみのメニュー
つまみのメニュー

酢の物、卵焼きなど酒飲みの好きそうな一品料理は、たいてい網羅されている。
まさに大衆酒場の見本のようなメニューだ。

つまみと丼物
つまみと丼物メニュー

ほや、酒盗、くさやなどの酒飲みが好きそうな珍味もある。
〆のお茶漬けや丼ものもあり、酒を飲む飲まないにかかわらず、楽しめるメニューとなっている。

珍味がうれしい
珍味がうれしい

メニューを見ているだけで心躍るが、まずは一杯。
ホッピー白(460円)を注文。

どでかいジョッキに半分くらいの焼酎が入っている。
ここのホッピーはかなり飲みごたえがある。

まずはホッピー
まずはホッピー

お通し(300円)はひじきの煮物。
ひとつだけいうなれば、たまいグループはもう少しお通しにも力を入れてほしい。
全店舗制覇するほどの、たまいファンだが、これだけは毎回思うのだ。

お通し
お通し

濃いめのホッピーを飲みつつ待っていると、まずは山芋そうめん(370円)がやってきた。
本店に来るとほぼ必ず頼むほど、好きなメニュー。

そうめんよりも細いのではないかと思うほど、細い山芋にあっさりしたつゆとワサビが合う。
この山芋そうめんが僕は大好きだ。

ガラスの小鉢がまた涼しげでいい感じ。

山芋そうめん
山芋そうめん

続いて、おすすめのアジの刺身(580円)

ネギ、ミョウガ、ワサビ、生姜と薬味のフルコース。
たまいグループの中でも、やはり本店は仕事が丁寧だと毎回思う。

鯵といえば、薬味は生姜だけという店も多いけど、ワサビもちゃんとついているのがうれしい。
薬味全部とアジをひと切れ、丁寧に箸でつかんで食べると最高に美味い。

ミョウガのしゃくしゃくとした歯触りに、生姜とワサビの辛み。
やっぱり薬味天国は贅沢感がある。

アジの刺身
アジの刺身

しばし待つと、焼鳥おまかせ3本盛合せ(385円)が到着。

この3本ってのがちょうどいい。
炭火で焼いた焼きたての焼鳥は、理屈抜きに美味い。
どこの鶏だとか肉質がどうとかでなく、とにかく熱々で美味いのだ。
それで充分。

余計なことを語らせない、大衆酒場の美味さが凝縮されている。

焼鳥おまかせ3本盛合せ
焼鳥おまかせ3本盛合せ

壁の上の方に貼ってある「たまいの心」
飲み食いしながら読むと、うそ偽りないことを実感する。

たまいの社訓
たまいの社訓

酒とつまみが充実していると、このまま終わってしまってもいい、という気持ちになってしまう。
さっと軽く飲んで出る店、そのままいたくなる店、飲み歩きが趣味なので、一軒に長居することはまずないが、
心の中ではこのままいたい、と思う時もある。

このまま終わりでもいい
このまま終わりでもいい

焼酎の中お替り(190円)

お替りも一杯目と同じく大ジョッキに半分。
以前会社の同僚と飲みに来た時は、お替りするたびにどんどん焼酎が増えて、3/4くらいまで入っていたこともある。
あれはかなり遅い時間帯だっからなのだろうか。

あの日はたしか記憶が飛んだ。

中お替り
焼酎の中お替り

焼き鳥をホッピーで流し込み、いい感じに酔ってきた。
周りをみると、まだ外は明るい時間帯なのに、9割近くテーブル席が埋まっている。

客層も若い人から年配の方まで実に幅広い。
それだけ溝の口で愛されている店なのだと感じた。

会計2,424円
これだけ飲み食いしてこの値段は安い。

レジに、店先でかかっている「たまい音頭」のCDが売っている。
一瞬手に取ろうかと迷うが、たまいグループで常に流れているので、わざわざ買う必要もないか。
ごちそうさまでした。

たまいは煙で客を呼ぶ
たまいは煙で客を呼ぶ

外に出ると、まだ明るい。
もくもくと道路を覆う、焼き鳥の煙と香り。

今日もまた、溝の口の街はたまいの煙で覆われてゆく。

2019年9月訪問

たまい 本店
神奈川県川崎市高津区溝口1-11-22 1F
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140505/14005019/

<この記事の動画はこちら>
https://youtu.be/fHwh9cd-Jsw