溝の口の老舗居酒屋「酒蔵十字屋」で飲み、その足でもう1軒。
いつも常連客で混んでいる溝の口の名店「やきとりどん」へ。
溝の口西口商店街の喧騒を抜けて、静かな小道に入ると「どん」の文字が大きな赤ちょうちんが浮かぶ。
味のある佇まいで、店内を覗くとたいていは常連さんと思しきお客で溢れている。
時間によっては入れないことも多く、この日はラッキーなことにカウンター席が一席空いていた。
![焼鳥どん](https://1nomi.com/wp-content/uploads/2022/02/どん1.jpg)
店内は焼き鳥を焼く煙で煤けた天井と壁、ここだけ時間が止まったかのような雰囲気だ。
これぞ、昔ながらの焼鳥屋。
チェーン店では絶対に出せない、時が刻んだ味わい深い雰囲気だ。
![味のある店内](https://1nomi.com/wp-content/uploads/2022/02/どん2.jpg)
メニューはシンプル、焼鳥に一品料理。
厚揚げ、ちくわの磯辺揚げなど、創作料理ではなく文字だけで想像できる分かりやすいメニュー。
![メニュー](https://1nomi.com/wp-content/uploads/2022/02/どん3.jpg)
カウンターの背面のホワイトボードには、その日のお刺身などおすすめメニューが書かれており、
首を動かしながらメニューを考える。
![おすすめメニューはあそこ](https://1nomi.com/wp-content/uploads/2022/02/どん5.jpg)
地酒もかなり安い。
僕の好きな黒龍、鳥海山も580円とは、居酒屋でこの値段はなかなかないぞ。
![地酒も安い](https://1nomi.com/wp-content/uploads/2022/02/どん4.jpg)
地酒も惹かれるところだが、先ほども日本酒を飲んできたので、ここはさっぱり梅酢サワー(370円)。
梅サワーではなく、梅酢サワーというのが惹かれた。
疲れている時は酸っぱいものが飲み食いしたくなる。
あ、このお店はお通しがない。
![梅酢サワー](https://1nomi.com/wp-content/uploads/2022/02/どん6.jpg)
甘酸っぱい梅酢サワーを口に運びながら、背面のおすすめメニューと手元のメニュー、
壁の短冊ときょろきょろと店内を見回す。
すると隣に一人で座って飲んでいたおばちゃんに「お兄さん、何か頼まないの?大丈夫?」と
声を掛けられ、慌てて一品料理を注文。
このお店は常連の方が多いみたいで、奥の席は大御所と席が決まっていたり、こういうお世話を
焼いてくれる年配の方が多いのだ。
僕はこの店で何度も年配の常連さんに話しかけられている。
こういう店もたまにはいい。
酸っぱいもの続きで、なまこ酢(380円)を注文。
![なまこ酢](https://1nomi.com/wp-content/uploads/2022/02/どん7.jpg)
なまこ酢は大好き。ねぎともみじおろしの薬味がうれしい。
スーパーでも売っているが、家で食べる時はこういう薬味まで手が回らないことが多い。
コリコリとした食感に酸味の効いたポン酢がいい。
やはりもみじおろしの辛みがあると全然違うな。
これは酒だ。
ということで、清酒一合(350円)を追加。こちらは常温で。
徳利の「大関」の文字が味があっていいな。
![清酒一合](https://1nomi.com/wp-content/uploads/2022/02/どん8.jpg)
なまこ酢にはやっぱり酒が合う。
酢の酸味とほんのりと香る海の香りが、日本酒の甘みを引き立てる。
この年季の入ったカウンターに置かれた徳利が風情があっていい。
眺めているだけで絵になる風景だ。
しばらくして、カウンター越しに店主が焼いていた焼き鳥が到着。
ここの店主の方は優しく穏やかに注文を聞いてくれて、すごく感じの良い方。
店の雰囲気から、頑固おやじが焼いているのかと思っていたら大違い。
ねぎま、たん、かしら(各100円)
安いよな。
![ねぎま、たん、かしら](https://1nomi.com/wp-content/uploads/2022/02/どん9.jpg)
炭火で焼かれた熱々の焼鳥は絶品。
辛子味噌をつけて味を変えながら楽しむのもまた良し。
これは酒がすすむ。
焼鳥は肉や焼き方もさることながら、雰囲気も僕にとっては重要なスパイス。
味のあるカウンターにすっと出された焼き鳥を頬ばり、手酌で酒を飲む。
この一連の流れもまた美味しさのひとつだと思う。
![手酌で飲む酒が美味い](https://1nomi.com/wp-content/uploads/2022/02/どん10.jpg)
梅酢サワー、清酒一合、なまこ酢、焼鳥3本で1,540円。
やきとりどんは、溝の口の名焼鳥屋であった。
2020年3月訪問
やきとり どん
神奈川県川崎市高津区下作延1-2-6
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140505/14023423/
<この記事の動画はこちら>
https://youtu.be/iHZbXudTLXU