酔っぱらってふらふらと街を歩いていると、たまに怪しい路地裏のほうへと引っ張られることがある。
川崎駅周辺は商業施設などが出来て、クリーンなイメージになってきたが、ビルの隙間に入っていくと、
そこで時が止まっているかのような空間が現れることがある。
この日も銀柳街を歩き、きょろきょろしていると、今まで認識していなかった路地が出現。
ここにはGoogleMapも入って来れないであろう、IT技術でも認識されていない路地。
銀柳街のドン・キホーテの正面、家系ラーメンの店の隣あたりの路地だ。
吸い込まれるように入って行くと、そこには赤いちょうちんの灯りが見える。
カツアゲされそうな雰囲気もあり、赤いちょうちんと店の灯りに安堵すら覚える。
赤ちょうちんに昔ながらの居酒屋の看板。
路地裏の雰囲気も相まって、これはかなりそそられる。
こんなところにこんな店があったとは。
スマホに頼らず足を使うと、新しい出会いがそこにある。
中を覗くと、テーブル席はほぼ埋まっているが、カウンターに空席がありそうだ。
中に入ると、酔客で賑わっており、僕が入店したことなど誰も気づかないように感じる。
透明人間になった気分で、すっとカウンターの一番奥に通される。
メニューは色々とあるようで、ここは焼鳥と串揚げが看板メニューらしい。
置いてあるメニューを開き、まんべんなく目を通す。
メニューのデザインも昔ながらの居酒屋風。
馬刺し、うなぎタタキなど魅力的なメニューも豊富だ。
ちょうちんには焼き鳥、串揚げとは書いてあるが、なんでもある居酒屋だ。
川崎駅周辺には安い居酒屋が多いが、そういうところと比べると、少々お値段は張る。
この店が高いというよりは、最近の居酒屋が安くなっているのだ。
特に地方の居酒屋なんかにいくと、大体こんな感じの値段だろう。
まずは生ビール(540円)。
ジョッキが大きくていい。
毎度のことながら、店の雰囲気が変わった最初の一杯が美味い。
お通し(330円)はカブ、キュウリなどの浅漬け。
漬かりすぎず優しい味だ。
よく定食屋の定食についてくる漬物の味がする。
やきとり4本(650円)を注文。
初めて来る店、しかも酔っている時は何も考えず、盛り合わせが一番だ。
メニューを選択するという能力が、酒のために薄れ始めている。
焼き鳥4本は、ねぎ間、つくね、もも、レバーのオーソドックスな4本。
肉のボリュームもあり、見た目だけで美味いと想像がつく。
熱いうちに、焼き鳥にかぶりつく。
熱々で肉厚で、どれも美味い。
レバーの臭みがどうとか、肉質がどうとか、この時はただ美味いとしか感じなかった。
酔っぱらっていると、そんなもの。
美味ければそれでいい。
生ビールを飲み干し、レモンサワー(400円)を追加。
カットレモンが入ったハイサワーのような味のレモンサワー。
こういうのでいいのよ。
残りの焼鳥とレモンサワーを合わせ、冷めないうちにどんどん食べる。
周りを見回すと、作業着の方、スーツの方、それぞれ仕事帰りの一杯に仲間と来ているようだ。
それを見てふと、今日は平日だったことを思い出す。
そうだ、今日は会社を休んで朝からはしご酒をしていたのだと。
ふっと明日からの仕事のことなど、現実に戻った気がした。
レモンサワーを飲み干し、ごちそうさまでした。
シメを食べて帰ろうか迷ったけど、炭水化物は控えておこう。
生ビール、レモンサワー、焼き鳥4本で会計は2,112円。
川崎の路地裏もちょっと入る店を間違えると危険そうだが、こんな良い店もあるもんだ。
2021年12月訪問
登利亭
神奈川県川崎市川崎区砂子2-3-17
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140501/14007603/
<この記事の動画はこちら>
https://youtu.be/YG9k9L-6otk