南武線に乗り、平日の通勤電車に揺られて終点の川崎駅で降りる。
駅を降りて京急川崎駅方面に向かう途中、路上の片隅に置き去りにされた缶チューハイの空き缶が目に付く。
早めの時間の川崎駅周辺は、前夜の喧騒の余韻を少しだけ感じる。
さて、どこから手を付けようか。
今日早々に川崎に来たのは、もちろん酒を飲むため。
12時前から酒が飲める店となると、24時間営業の居酒屋、牛丼チェーンなど限られてくるが、川崎では町中華で朝から飲めるのだ。
それがここ中華料理の老舗「天龍」だ。
川崎で中華、いや酒を飲もうと思ったら、天龍が思い浮かぶ。
この天龍にはかれこれ何回来たか分からない。
一時期パチンコに狂っていた僕は、すぐ近くのパチンコ店「PIA」で朝から打って、負けても買ってもここでビールに餃子、チャーシューメンなどを食べていた。
昼時ともなると、待っている客もいるくらい、川崎では人気の町中華だ。
この日は平日の9時台ということもあり、この字のカウンター席にはまだ空席があるようだ。
暖簾をくぐり適当に空いている席に腰を下ろす。
平日早めの時間帯とはいえ、すでに先客がおり、各々ラーメンをすすったり、野菜炒めをアテに酒を飲んだりしている。
川崎では朝から酒を飲むことなんて当たり前のこと。
店に入ってしまえば、酒を飲む時間とか飲まない時間とか、そういう感覚が麻痺してくる。
目の前のドリンクメニューを一応確認、町中華といえばまずは瓶ビールだろう。
まずは瓶ビールを注文し、待っている間に厨房のほうのメニューに目を向ける。
昔より多少値上がりしたのかな?
しかし今時ラーメン440円はかなり安い。
注文して1分以内に瓶ビール(600円)を渡される。
グラスもキンキンに冷えているのが、目視で確認できる。
キンキンに冷えたグラスに、瓶ビールを注ぎ、朝から何も食べていない、空腹の胃に流し込む。
これが気持ちいいんだ。
ほどなくして注文したニラレバ炒め(660円)が到着。
ここ天龍はとにかく、注文してから料理ができるまでの時間が早い、早い。
店員さんは中国系の方がメインで、日本語は片言だけど、手際よくぱっぱと料理も酒も提供してくれる。
こんもりと皿に盛られたニラレバ炒めから立ち上る湯気。
湯気がまとったゴマ油と調味料の香りが胃を刺激する。
ニラレバ炒めの香りを吸い込みながら、ビールを注ぎ自分を焦らす。
そして、熱々のニラレバを口に放り込む。
シャキシャキとしたもやしの歯ごたえに、ニラの香り、町中華独特の味付けがいい。
朝からニラレバ炒め、全然ありじゃないか。
むしろ朝ニラレバ炒めはいいぞ!
瓶ビールもぐいぐいすすみ、ウーロンハイ(420円)を追加。
ここでは、ビールからウーロンハイの流れ。大体いつもそう。
〆に来たり、ちょっと昼飲みに来たりと、色々なシーンで利用するけど、ビールとウーロンハイが定番だ。
後から来て隣に座った、年配の男性客ふたりは、ビールと野菜炒めで1杯やり始めた。
競馬新聞を広げ、楽しそうに話している。
ここで一杯景気付けにやって、これから勝負しに行くのだろう。
ここから川崎競馬場まで僕の足だと、15分くらいかな。
ちょうど酔い覚ましになるのか。
ニラレバ炒めを平らげ、ウーロンハイを飲み干し、ごちそうさまでした。
会計は1,680円。
会計だけは、日本人のおばちゃん(おそらく)が対応している。
また来るだろう。
あの日に食べた天龍のメニュー
ここで天龍の町中華ならではの他のメニューも紹介したい。
餃子(300円) ※2020年当時の値段
餃子は作り置きなのか、とにかく出てくるのが早い。
ただ、皮がパリパリで熱々というわけではなく、少ししなっとした状態で出てくる。
味はインパクトはないが、無難な味だ。
ラーメン(440円) ※2020年の当時の値段
ここのラーメンは昔ながらの味で、あっさりと飲んだ後に食べやすい。
チャーシューメンも結構好きで、パチンコに買った日はチャーシューメンを食べていた。
チャーシューが脂少な目で少し硬い、昔ながらのチャーシューで、これがまたラーメンによく合う。
スープを少し吸ったチャーシューを噛みしめながら食べるラーメンが旨いんだ。
チャーハン(550円) ※2020年当時
チャーハンは無難な町中華のそれ。
少ししっとりとしていて、具は卵、ハムとネギ。いたってシンプル。
こういうのでいい、という定番のチャーハン。
2022年5月訪問
天龍 銀座街店
神奈川県川崎市川崎区砂子1-1-1
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140501/14001486/
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