最近、○○横丁といったオープンな空間で、色々な居酒屋が入っている施設が増えてきた。
○○横丁とか○○バルというのは、言ってみれば酒飲みのフードコートだ。
いやドリンクコートか。
川崎駅で降りてラゾーナの反対側、川崎図書館のあるビルの地下にもそれはある。
4軒ばかりはしご酒をして、ふわふわとした体でこの横丁の前を通った僕は、提灯のぶら下がる、
雰囲気に飲み込まれるように横丁に入っていった。
ほのぼの横丁には、数店の店舗が入っており、この中だけではしご酒ができるようだ。
恥ずかしながら、酔っぱらっていた僕はここ「ほのぼの横丁」というのが一つの店舗だと思っていた。
ガラガラと扉を開けて、入り口すぐのカウンター席に腰を下ろす。
腰を下ろしたのは「初代煮たろう」というお店でだということを後から気が付いた。
僕はほのぼの横丁のカウンターに腰を下ろしたという認識だったのだ。
4軒はしごすると、時にそういう状態になる。
これは嘘のようで本当の話。後からレシートをみて気が付いたりするのだ。
素面の時はその時の自分が何者だったのか、と不思議に感じることすらある。
余談は置いておいて、メニューに目を落とすと、肉刺し盛り合わせのイラストが目に飛び込んでくる。
メニューを取捨選択するという行為すら、面倒になってきた僕は頭の中でこれに決めた。
酔ってくると、最初にこれで一杯飲んで、そのあとにこれとこの酒合わせて、という組み立てが頭の中で出来なくなってくる。
しかしながら、他のメニューに目を通さないというのも味気ない。
メニューと値段を楽しむのも酒場の楽しみのひとつである。
ホルモン串の煮込みが名物のようだ。
ホルモンだけでなく、はんぺんや卵、大根のようなおでんネタのようなものもある。
酒はチューハイ、ハイボール、ホッピーなどホルモンや煮込みに合いそうな酒がメイン。
大きな文字のやかん焼酎400円が気になる。
が、もっと気になったのがフローズン焼酎。
一杯目はシャリキンバイス(400円)を注文。
シャリシャリに凍ったキンミヤ焼酎に、バイス(梅しそ味)の液体が注がれ、なんとも素敵な色合いの酒だ。
口に少し含むと、もはや酒というか、酒のようなかき氷。
甘酸っぱくて、まさに大人のかき氷。
手の平の温度で、ゆっくりと溶かしながら飲まないと、なかなかすすまない。
溶かしながらちびちびと飲んでいると、肉刺し盛り合わせ(580円)が到着。
なるほど、刺身と期待していたが、ボイルされた刺身風の盛り合わせのようだ。
そりゃそうか・・
薬味には、ニンニク、生姜、ごま油とホルモンにはばっちりな組み合わせ。
これは家に帰ったら「何を食べてきたの?」と聞かれてしまいそうな、スタミナメニューだ。
まずはコブクロをごま油とニンニクで食す。
コリコリとした食感にごま油とニンニクの香りが美味い。
そこにキンミヤ焼酎が合う。
豚ハツはハムの燻製のような歯応え。
この内臓系の歯ごたえがたまらない。
コリコリ、グニグニ、シコシコ、このあたりの歯ごたえが堪らなく好きだ。
シャリキンを飲み干し、ガリ酎ハイ(380円)を追加。
シャリキンの最後のひと口を一気に飲み干したら、やはり頭にキーンとした痛みが。
これは酔った頭にちょうどいい酔い覚ましだ。
ガリ酎ハイは寿司屋のガリがそのまま入っている酎ハイ。
もっと何かこう想像以上のものを期待していたけど、そのまんまガリの酎ハイだ。
そのまんまやないけ!
もちろん口には出さないが、頭の中でそう叫ぶ。
だからそうメニューに書いてあるだろ!と言われればそれまでの話。
何とも言えない甘いガリの酎ハイを飲みながら、残りの肉刺しを口にはこぶ。
ふと周りを見回すと、色々な店舗が混ざり合っているだけあって、かなり騒々しい感じだ。
今さらながらそれに気づく。
この雰囲気が好きな人は好きだし、入りにくい人は入りにくいのだろう。
この空間の中で、男女のグループ同士が出会うことだって、あるのではないだろうか。
自分にはまったく関係のないことを考えつつお会計。
つまみ1品、酒2杯で会計1,496円。
ごちそうさまでした。
2020年1月訪問
初代 煮たろう
神奈川県川崎市川崎区駅前本町12-1 川崎駅前タワー・リバーク B1F 川崎のれん街 ほのぼの横丁
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140501/14074390/
<この記事の動画はこちら>
https://youtu.be/SjOZwSq-ln4