町田で朝から飲める居酒屋といえばここ「はねあげ」を真っ先に思い浮かべる。
小田急町田駅の西口を降りて徒歩1分程度。
何時に行っても、そこはいつでも酒飲みを迎えてくれる。
この日は9時には町田に着き、その足ではねあげに向かう。
あいにく天気は悪いが、そこに向かう足取りは軽快に跳ね上がる。
僕の理想は朝通勤電車に乗ってそのまま飲みに行く、なので早ければ早いほど興奮するのだ。
店先にかかっている24時間営業の提灯が心強い。
ガラス張りの店内を覗き込むと、すでに先客が何組か飲んでいる。
空席はたくさんあるので、一人で悠然と店内へ入ってゆく。
24時間営業の店なので、どうしようもない酔客ばかりで不衛生な店かと思うとそうでもない。
店内はおしゃれば雰囲気で、24時間営業の飲兵衛の店というより、創作料理なんかが出てきそうな雰囲気だ。
メニューは名物が手羽先の唐揚げらしい。
何回かこの店に来たことはあるのだが、一度も手羽先を食べた覚えがない。
嫌いなわけではないが、縁がなかったのだろう。
その店のおすすめや名物料理を食べないってよくある。
一人飲みではしご酒していると、名物料理より飲み食いのペース配分の方に気が向いてしまうのだ。
僕は自分を酒飲みアスリートだと勝手に空想している。
一品料理の数も豊富で、どれも100円台~200円台と安い。
安いうえに休むことなく営業しているなんて、素晴らしいではないか。
今日は飲むつもりで来たので、ホッピーセット白(390円)からスタート。
酒もけっこう安いな。
朝から飲むホッピーは、その日に終止符を打つようなものである。
ここから先は、買い物も出来なければ、カフェでお茶することもなく、酒を飲むこと以外考えられなくなるだろう。
ホッピーを半分ほどジョッキに注ぎひと口。
このホッピーの味が酔うんだ。
酒を飲みに来たという実感が沸く味。ビールより酔っぱらう味。
つまみは酢モツ(250円)を注文。
今日初めて食べる朝食がこれだ。
何かサッパリしたものを、と思いついたのがこれだった。
酢モツはコリコリシコシコとした歯ごたえで、ポン酢の酸味がすっきりしている。
昨晩の酒が多少残っている時は、こういうのがいい。
ホッピー中(190円)を追加。
こちらはグラスに氷と一緒に焼酎が出てくるタイプ。
ジョッキに氷ごと焼酎を入れ、ホッピーを少し足して足して飲み進む。
焼酎お替りもう1杯いけそうな感じだが、最初から飛ばし過ぎはよしておこう。
早い時間から酔いすぎると、夕方までどうしたら良いか分からなくなる。
つまみ1品というのも寂しいので、よだれ鶏(280円)を追加。
こちらもピリ辛でさっぱりとしたメニュー。
朝呑みはこういうところから始めたい。
かかっている食べるラー油が辛くて胃が目覚めてくるのが分かる。
周りを見回すと、先客の学生のようなグループは何やら楽しそうに騒いでいる。
スーツ姿と私服の子が混じっているので、就活生かサークルのOBとの飲み会だろうか。
昨日の晩から今朝まで飲んでいたんだろうな、といった雰囲気だ。
僕も20代の頃までは、たまにオール(朝まで)飲んでいた。
でも朝まで飲んでいても眠くて疲れるので、昔から朝までオールというのは苦手だった。
後半眠くて本当に楽しくなかった。
今はもう体力ないが、朝までは飲めなくても、朝から飲むことはできる。
朝からでもナチュラルに酒を飲めるという点では、まだ若いもんには負けん、そんなことを考える。
酒を飲むのに勝ったも負けたもないが。
(むしろ酔っ払いは負けた感もある)
ぼーっと辺りを見回しながら、ホッピーを飲む至福の時間。
早い時間に飲む酒って本当に気持ちいい。
ホッピーを飲み干し、よだれ鶏を食べてごちそうさまでした。
会計は1,221円。
あとから一人で飲みに入ってくる方もちらほら増えてきた。
髪の毛を緑色に染めたバンドマン風の人、アーミーファッションに身を包んだ軍人のような人。
たまたまかもしれないが、妙に個性的な人が一人で飲んでいる。
早い時間からしか飲めない職業の方、単純に朝から飲みたい自分のような人まで色々いるんだな。
朝呑みというのは、がっつり酒とつまみを味わうというより、朝から飲む背徳感、人間模様を観察するのが楽しい。
朝から酒を飲むって、人それぞれ事情があるのさ。
酔った頭でそんなことを考えながら店を出ると、先ほどの学生グループが店の外で煙草を吸っている。
まだまだ飲みそうな勢いだ。おじさんは別の店に移動するよ。
2020年07月訪問
はねあげ 町田本店
東京都町田市原町田6-11-16
https://tabelog.com/tokyo/A1327/A132701/13206177/
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