二子玉川の串焼きの店と、中華で2軒はしごをして3軒目。
「玉の蔵」の前を通りかかり、鯛だしのおでんなるものが気になり足が止まる。
店の中を覗き込むと、日本酒の入った冷蔵庫が見えて、雰囲気がよさそう。
少し酔いが回っていることもあり、値段のことは気にせず、ここにしようと思う。
酔っぱらうと気が大きくなるというのは本当のことなのだ。
いつも気が大きくなって、普段買わないケーキや甘い物などをお土産に買ってみたりする。
酔っ払いがお土産を持って千鳥足で歩く。
あの昭和の酔っ払いのイメージはまさに現在も受け継いでいる。
店に入ると、奥行きのあるカウンター席に通される。
まずはおすすめメニューに目を通す。
おでん屋かと思っていたけど、刺身なんかも充実している。
値段はまあ、二子玉価格ですな。
いや、こういうお店はこのくらいの値段はする。二子玉の勝手なイメージが邪魔をする。
でも美味ければそれでいいのだ。
良い素材と、料理人の腕があれば、値段が上がるのはしょうがない。
とりあえずの一品メニューからいっていい感じだ。
卯の花明太子、本鮪のぬた和えなんかよさそうだ。
しかし、この店はおでんがメインのようなので、鯛出汁のおでんを食べたい。
酒のメニュー、竹酒とだし割りが気になる。飲んでみたいな。
でも、けっこう飲んできたので、ここから日本酒は少々きついかな。
ハシゴ酒に日本酒を挟むと、電車に乗ったと同時に、一気に酔いが回ることがあるから注意だ。
それで何度も転倒したり、乗り過ごしたりした。
日本酒もその時々仕入れているようだ。
こういうお店ははしご酒でなく、じっくりと腰を据えて飲むべきだったか…
すり落とし大根サワーだと?!
これは本当に美味しいのか?気になる。
まずは気になった、大根おろしサワー(500円)を注文。
ここでしか飲めないよな気がした。
お通し(450円)は、菜の花とあさりの和え物。
このお通しがやさしい味付けで美味い。
凝ってなくても、口に入れた瞬間に、お通し以上の何か感じられると、その店に入ってよかったと感じる。
さて、大根サワーは本当に大根おろしがそのまま入っている。
これはいかに。
グラス上部の大根おろしを、ゆっくりとサワー全体に混ぜてゆく。
そして一口。
ああ、少し甘みがあって、全然大根の違和感もなく美味い。
これはさっぱりとしていい。考えて飲んでみようと思った人天才。
おでん大根(280円)
ひとつずつ出てくるのがいい。
おでんというよりも、もうこれは一品料理だ。
上にはネギと柚子、鯛でんぶ?がかかっている。
大根には、食べやすいように、きちんと4分割に切れ目が入れてある。
二子玉マダムは、大根にかぶりつくような真似はしないのだろう。
一度、溝の口西口商店街の立ち飲み屋に来て、人間の本来の姿を見てほしいものだ。
熱いうちに頬張ると、鯛の出汁が効いていて、あっさりとして旨味のあるつゆの味。
これは美味い。
美味くないはずがないけど、やはり美味い。
これは日本酒だったか。
おすすめで気になった、たこの吸盤ポン酢(480円)も注文。
これまたどっさりネギに、大根おろしが美味そう。
食べてみると、ポン酢の味に大根おろしの香り、吸盤のコリコリした食感がいい。
これもまた美味い。
二子玉には舌の肥えた方が多いから、中途半端な物は出せないのだろう。
2軒ほど回っていたけど、どの店もきっちりとした料理を出す店だった。
おでんちくわ(250円)を追加。
これもネギと鯛でんぶが乗っている。
鯛出汁の効いたつゆに、ぷりっとした大きなちくわが美味い。
一つの皿に色々ぶちこんであるおでんも良いけど、一品ずつ味わうおでんはさらに美味い。
紅生姜サワー(500円)を追加注文。
これまた美しい。
カウンターのライトと相まって和風のカクテルのようではないか。
実際に飲んでみると、まさに紅生姜のサワー。
だからそう書いてあるじゃん、と思われるかもしれないが、この美しさに何か違う味を期待していた。
たこの吸盤に、紅生姜サワーをちびちびやり、おでんをつつく。
落ち着いた雰囲気の中、広めのカウンターで飲む酒は、ゆとりのあるサラリーマンのよう。
溝の口西口商店街あたりで、グダグダになって酒を飲むのも良いが、こういうのもたまには良い。
もう40代後半に近づいているのだから(2020年当時)
おでんとサワーを飲み干し、ごちそうさまでした。
会計は2,706円。
上品なものを味わえた割りに安い。
二子玉=セレブでお高いイメージは、3軒はしご酒をして消えた。
2020年02月訪問
玉の蔵 二子玉川店
東京都世田谷区玉川3-13-8 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131708/13198631/
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