仕事の打ち合わせの帰りに武蔵小杉駅で久しぶりに降りた。
東横線の車窓から見える、武蔵小杉のタワーマンション群は、毎回圧巻の眺めだ。
もう何年も前に再開発がおこなわれたのに、僕の中ではまだ昔の武蔵小杉のイメージが脳内から消えていないようだ。武蔵小杉駅で降りると、僕はまっすぐにセンターロード小杉へ向かう。
小杉には駅ビルもあり、買い物もできるようだが、飲む以外の目的で小杉に来たことはない。
今日は、吉田類の酒場放浪記でも出ていた「文福 武蔵小杉店」へ。
酒場放浪記に出ていたのは、駅前ではなく、少し離れた本店だったような気がする。
支店でもなんでもいい、とにかくあの文福へ一度来てみたかったのだ。
来たかった店にやっと来れた。
武蔵小杉は再開発されて、お店も増えたけど、来る機会がかなり少ない。
打ち合わせから直帰した日は、いつも行かない店で飲むチャンスなのだ。
そのために、わざと夕方に打ち合わせをセッティングすることもある。
おつまみメニューは串焼きが中心で、一品料理もシンプルで自分好みだ。
このくらいシンプルに選びやすいほうがいい。
酒のメニューは大好きな生ホッピー、電気ブラン、これもまた好みのラインナップだ。
本格焼酎もまあまあの品ぞろえ。
最近本格焼酎飲んでないなあ。
日本酒メニューも地酒がたくさんというよりは、無難なラインナップ。
いいんですよ、こういうのが選びやすくて。
僕は地酒が大好きだが、居酒屋では高くて飲まない。
下手すると4合瓶の半値以上でグラス1杯、なんてこともあるし、酒場は酒場の雰囲気で安く酔えればそれでいい。
まずは、生ホッピー(550円)を注文。
生ビールのようにも見えるが、ホッピー独特の香りにマイルドな味わいが美味い。
ビールは苦みが特徴的だが、ホッピーは苦みが少ない。
よくホッピーってどんな味?と聞かれるのだが、ビールと比較するとそんな感じでしか表現できない。
どんな味かは飲んだらいい、質問されるたびにそう毎回思っている。
お通し(200円)は、シンプルに大根おろし。
梅肉ソースがちょこんと乗っている。
焼き物食べる前のお通しは、こういうシンプルなのがいい。
特に大根おろしってのがいい。
つまみに大根おろしって美味いのよ。
しばらくすると、串焼き5本盛りと煮込みのセット(1200円)の、元祖カレー煮込みが先に出てくる。
カレー煮込みとは初めてだ。
小鉢が熱々になるほどの熱々煮込みだ。
ふんわりと香るカレーの味が食欲をそそる。
ネギを混ぜて、熱々のところをふうふうして口に運ぶ。
けっこう辛い。
カレー風味の料理は、カレーの風味だけのことが多いが、これはがっつり辛口カレーだ。
スパイスが効いていて、熱くて美味い。
煮込みのもつはものによっては臭みが出るが、この調理法だと、おそらくどんなもつでも臭みなく食べられそうだ。
これは僕のもつ煮込みランキングに必ず入る美味さだ。
南武線沿いには、美味いもつ煮込みが多いのか。
しばらくしてセットの串焼き5本盛りが焼きあがる。
右から、バラ肉、つくね、玉三郎、梅しそ焼き、牛串。
バリエーションがあって、見た目だけでうれしい。
まずはバラ肉から頬張る。
甘いたれに焼いた香り、じゅっとした脂の食感と甘みが美味い。
このサイズ感もちょうどいい。
気になった、バリキング(380円)を注文。
生姜、山椒、高麗人参などの植物エキスが入ったオリジナルサワーとのこと。
苦みなどもなく、ケミカルな感じがしないエナジードリンクのようで、この味好き。
つくねを齧ると、ぎゅっと肉が詰まっている食感。
バラ肉と同じ甘くて美味いたれがいい。これもまた美味いなあ。
5本盛りはちょっと多いかな、と思ったけどそんなことは全然ない。
これなら10本でもいける。
牛串はおろしにんにくを付けていただく。
噛みしめると、にんにくと牛の味が混ざり合い、仕事の疲れも吹っ飛びそうだ。
串焼きそれぞれに合った味付けと薬味、美味しい串焼きのことをきちんと考えているのが良くわかる。
やはり人気店だけあって、同じ串焼きでも全然違うと感じる。
焼き方とか肉の質もさることながら、薬味や盛り付けやサイズなど、串焼き以外の部分でかなり印象が違う。
この日は空いていたらしく、僕が飲み終える頃に、やっと二組目のお客さんがやってきた。
仕事終わりは静かに飲みたいが、他のお客がいないってのも、意外とさみしい。
すれ違いにお会計。
会計は、2,563円。
カレーの煮込み、また食べたいな。
2020年09月訪問
串焼 文福 武蔵小杉店
神奈川県川崎市中原区小杉町3-430
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140504/14007024/
<この記事の動画はこちら>