町田の海鮮居酒屋で昼から一杯飲んで、次の店を探して街をうろつく。
しばし歩くと「牛カツ」と書かれた白い提灯に白い暖簾。
牛カツというものがあるということは認識していたけど、食べたことはなかった。
たしか渋谷の宮益坂に牛カツのお店が出来た時、行ってみたいな、と思っていた記憶がある。
そのまま仕舞っていた記憶が、町田の「牛カツ京都勝牛」の前を通り過ぎようとした際に蘇ってきた。
場末のトンカツ屋の揚げ物というより、京都の牛カツという料理である、といった雰囲気だ。
店先の佇まいから、ソースをどぼどぼかけてカツを頬張り、一切れで飯一膳食べるような店はない。
入店すると、昼時だが客入りは8割といったところ。
案内されたカウンター席に腰を下ろす。
牛カツだからなのか分からないが、客の年齢層は高めである。
(高めというか、若者がワイワイいるような雰囲気ではない)
店内は縦に長く、そこまで広くはない。
ここは元々何があったところだっけ?
町田も街並み自体は変わらないが、店の入れ替わりが激しいので、どこに何があったか、細かいところは忘れてしまう。
目の前のメニューに目を通す。
牛の色々な部位をカツにしているようだ。これはトンカツと変わらない。
ロース、リブロース、ひれなど様々な部位があるのだが、メニューをぺらぺらとめくっていると、どれも同じに見えてくる。
焼肉屋の生肉の写真なら違いが目に見えて分かるが、カツの写真になると、もはや部位の見分けがさほどつかない。
飲み物、いや酒はビールとハイボール程度だ。
日本酒でカツを合わせる、といった感じではないようだ。
あくまでも、食事を楽しむ店らしい。
すでに一杯やってきているので、酒メニューが少ないことに、特に不服はない。
まずはハイボール(290円)。
安い!肉(290)ってことなのかな?
ハイボールのジョッキを傾けながら、牛カツの美味しい食べ方を読む。
色々なたれやスパイスに付けて食べるのか。
トンカツとはまた違った楽しみがあるようだ。
ちなみに、僕はトンカツはソース一辺倒である。
しばらく待つと、牛リブロースカツ、牛ロースカツ京玉膳(1380円)が到着。
〆は別の店に行く予定なので、ライスと赤だしはなしにしてもらった。
俺の昼飲みはまだ終わらない。
目の前には、赤身の肉の断面がこちらを向いている。
この赤みの、ほんのりとした赤い色に目を奪われる。
この断面を見せてくるあたり、牛カツノットイコール豚カツである、と主張しているかのようにも見える。
薬味は醤油、わさび、カレースパイス、ソース、カレーつけ汁、温泉卵(京玉)。
まずは塩でいただく。
薄めの衣がサクッと歯にあたり、ステーキのような牛肉の旨味が口に広がる。
カツというよりも、衣が付いたステーキのようだ。これは美味い。
脂身もあっさりとしており、これは客層が高くなるのもうなずける。
40代後半の僕にとってもうれしい限りだ。
カレースパイスは牛肉をバーベキューで食べているような感覚。
ソースはかなりあっさり目で、ウスターソースに近い。
わさび醤油がなかなかに美味かった。
カレーつけ汁、温泉卵など一通り試してみると、牛カツがやや足りないようにも感じる。
追い牛カツ(600円)のトッピングが、用意されている意味がここでよく分かった。
一通り付けて食べてみて、僕が好きなのは、わさび醤油か塩。
牛カツは豚カツのように、ソースで食べるより、シンプルな味わいが一番美味く感じた。
豚カツをソースで食べていると、ライスは必須だが、牛カツの場合は不思議とライスなしでも、つまみとして味わえる。牛カツはつまみなのだ。
牛カツをちびちびと丁寧に食べて、ハイボールをお替わり。
一切れで何膳ごはんを食べるかではなく、何杯酒を飲めるか。
牛カツと豚カツの違いはこれだ。
追い牛カツが欲しくなるところだが、一通り楽しみ、ハイボールを飲み干してごちそうさまでした。
会計は2,156円。
今度は是非ご飯で食べてみたい。
でも、やっぱり飲みに走っちゃうんだろうな。
2020年09月訪問
牛カツ京都勝牛 町田店
東京都町田市原町田6-7-8
https://tabelog.com/tokyo/A1327/A132701/13242058/
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