ここ最近で「串カツ田中」のある街が増えたような気がする。
串カツといえば、僕は大阪に出張に行った際に、梅田の飲食店街にある串揚げ屋によく通っていた。
関東で串カツ田中が出来た時は、その頃の懐かしの味を、と思いよく通ったものだ。
今でも時々行くが、歳を重ねるごとに、揚げ物から遠ざかり気味になり、自然を足を運ぶ回数も減ってきている。
この日は何軒かはしごして、たまプラーザの街をぶらぶらしていたら、たまたま田中を見つけた。
住宅街に差し掛かるところで、突然に現れた串カツと書かれたドラム缶。
串カツの赤い文字と田中の黒い文字が、街の印象に妙に場違いな気がして、思わず中を覗き込む。
カウンター席が空いてそうなので、自動ではない扉を開けて入る。
カウンター席に腰を下ろし、周りを見回すと若いカップルや家族連れの姿がある。
店員さんはみんな若く元気な感じだ。
買い物ついでによった感じの老夫婦の姿に、老後の自分を重ねる。
我が妻は酒をほぼ飲まないので、昼下がりに夫婦で1杯なんてのは実現しないんだろうな。
一緒に飲めたら一人で飲み歩いていないのかも、そんなことを考えたりする。
手元のメニューに目を通す。
串カツ田中は、串カツの他にチャンジャや生ハムユッケなんかがあり、酒飲みの気持ちがよく分かっている。
串カツオンリーではなく、串カツも食べるけど、揚げてないつまみも食べたいのよ。
串カツのメニューにも目を通す。
最近では串カツの安い店も増えてきており、田中は他店に比べると、じゃっかん高めに感じる。
居酒屋も激安競争になってきているので、安いところと比較しすぎるのも野暮ってものか。
貧乏性の小遣い制サラリーマンの性から、どうしても値段を比較してしまう。
ビジネスマンは常に数字と戦っているのだ。
串カツ田中といえば、まずはチンチロリンドリンクだ。
一人だとチリンチリンやられるのが若干恥ずかしいが、多少酒が入っているので問題なし。
飲む前に飲む、というのはチンチロリンをやるうえで、大切なことなのだ。
店員さんに促され、サイコロを振ると奇数。
倍額倍量のジムビームメガハイボール(740円)。
酔った腕に大ジョッキが重く感じる。
このチンチロリンの奇数が毎回分かりにくく、倍量だが倍額でもある、というのをいつも忘れてしまう。
倍量だけが目に入って来て、同じ価格で倍量になるんだ、と勝手に解釈してしまうのだ。
「倍量で良いですか?」と店員さんに聞かれて、拒否できるものなのか、強制的に倍額なのか、未だにそのルールをよく分かっていない。
倍量で倍額になってしまいますが、どうされますか?
と聞いてくれるのがベストなのだが。
まあ、いずれにしても飲むので細かいことはいい。
ハイボールを口にはこびつつ、お通しのキャベツをソースをすくいながらパリパリと食べる。
さいぼし(590円)を注文。
さいぼしとは馬肉を干したもの。
ニンニク、しょうが、甘辛い醤油でいただく。
馬肉自体にも少し塩気があり、噛めば噛むほど味がでる。
これは酒に合うやつだ。
ハイボールも良いけど、焼酎のお湯割りなんかが合いそうだ。
馬肉はいつでも負担なく食べやすい。
串カツ田中なので、串カツも注文。
山芋(120円)、牛(120円)、チーズ(200円)の3本。
二度漬け禁止のソースに、まずは山芋をたっぷりとくぐらせて齧る。
パリッとした衣に、サクッと噛むと山芋のとろみと、ほっくりとした甘みを感じる。
芋の中でも、山芋はつまみになる芋だ。
牛肉のぎゅっとした旨味、チーズのおつまみ感。
串揚げにすることで、いつも食べ物はまた違った美味しさを表現してくれる。
串カツって毎日食べたい物ではないけど、たまに食べるとやっぱり美味い。
倍量のハイボールを飲み干し、チンチロリンに再度挑戦すると、なんとぞろ目が大当たり。
ジムビームハイボール(無料)をお替り。
倍量もこれで帳消しだ。
ジムビームのスモーキーでケミカルな香りに、さいぼしを噛みしめる。
田中に来ていると、ここがたまプラーザではないような、何とも不思議な感覚になってくる。
たまの串揚げ飲みもいいではないか。
ハイボールを飲み干し、ごちそうさまでした。
会計は2,222円。
会計はぞろ目だった。
2020年02月訪問
串カツ田中 たまプラーザ店
神奈川県横浜市青葉区美しが丘2-17-25
https://tabelog.com/kanagawa/A1401/A140201/14064492/
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