新百合ヶ丘で早めの昼飲みといえば、エルミロードがいい。
11時から営業しており、蕎麦、とんかつ、ラーメン、鮨など、ここに来ればある程度の願望は早い時間に叶うのだ。
ショッピングモールのレストランフロアは、その施設によって、ラインナップが異なるが、僕はエルミロードのラインナップは好きだ。
新百合ヶ丘は川崎市であるが、川崎駅のざわざわとしたイメージとは全く異なり、街は閑静で上品な雰囲気が漂っている。川崎に偏見を持っている市外の方が来たら、ここが川崎市だとはにわかに信じられないだろう。
街の雰囲気もあるのか、かなり落ち着いた店がラインナップされているように感じる。
レストランフロアの情報を確認し、エスカレーターに乗って5階へ直行する。
まだ早い時間なので、2軒くらいは回れるだろうか。
1軒軽く飲んで、昼めしがてらにもう1軒ってところか。
軽く1杯ということで、前から気になっていた蕎麦屋「つづらお」の前へ来た。
鰻屋で贅沢に1杯とも思ったが、待っている人がいたので、とりあえず名前だけ書いてきた。
店頭には食品サンプルと、一升瓶の日本酒が並ぶ。
日本酒がなかなかに良い品ぞろえで、以前から気になっていたのだが、なかなか入る機会がなかった。
酒の量り売りもあるようだ。
飲食店では珍しい。
でもやっぱり店まで来たら、酒はお店の料理で飲みたい。
入るか入らないか迷っていると、どんどん客が入っていきそうな雰囲気だったので、慌てて店内へ入る。
2人用のテーブル席へ通される。
カウンターも良いけど、2人用のテーブルに一人で座るのも好きだ。
自分スペース感があるのがいい。
椅子に座り、さっそくメニューに目を通す。
蕎麦はまだ食べないので、軽く目を通してスキップ。
かつ重や天重もある。
蕎麦屋のかつ丼って惹かれるものがある。
しかし、ここでごはんを食べたら、そこで終了である。
おつまみメニューも豊富。
板わさなどの蕎麦屋の定番から、揚げ物など酒が楽しめそうなメニューだ。
酒は地酒が売りのようで、品ぞろえもいい。
地酒ね、良いんだけど、どうしても四合瓶で買う習慣があるので、どうしても値段が気になるのだ。
何も考えずに、好きな地酒を好きなだけ頼めるようになりたいものだ。
飲み比べ3種セットがある。
味や地域の地酒など、バリエーションに富んでいて、かなり惹かれるものがある。
日本酒飲み比べは一種類の場合が多いけど、ここは色々な切り口で飲み比べできるのがいい。
ああ…悩む。
とりあえず、生ビール中(600円)を注文。
休日の午前中から流し込むビールは気持ちいい。
朝食をとらず、空きっ腹に飲むのは身体によくないことはわかっている。
でもこれが酒飲みには禁断のご褒美なのだ。
板わさ(360円)を注文。
なんとなく、蕎麦屋に来たら板わさだろうということで注文した。
わさびではなく、わさび漬けというのがいい。
祖父がわさび漬けが大好きで、酒をちびちにやりながら、食べているのを見て、子供ながらに旨そうだと思った記憶が蘇る。
あの頃から、何かをつまみに酒を飲むことに憧れを持っていた。
こうして昼から酒を飲むことは、その頃から予約されていた未来だったのかもしれない。
わさび漬けをかまぼこに乗せて、醤油を少しだけ付けて食べる。
プリプリ、シコシコとしたかまぼこの食感に、わさび漬けの酒麹の香りとピリッとした辛み。
この小田原の組み合わせが美味い。
これはビールよりも酒が欲しくなる。
わさび漬けを頬張っていると、野菜天ぷら盛り合わせ(550円)が揚がってきた。
揚げ物は胃に後からずっしり来るので、迷ったのだが、野菜なら大丈夫だろう、と頼んでみた。
天ぷらは塩も良いが、僕は天つゆに大根おろしと生姜を入れて、どっぷり付けて食べるのが好き。
最初は少しだけ付けて、サクッとした食感を楽しみ、残りをてんつゆにくぐらせて、少し衣がしなっとした食感を味わう。
野菜を美味しく食べる方法としては、やはり揚げ物か炒め物がいい。
さくっとした衣に、野菜の食感、夏の野菜が美味い。
ビールを飲み干し、せっかくなので日本酒を注文。
天青(550円)を選んだ。神奈川県茅ケ崎市の熊沢酒造のお酒。
これが美味い。冷やでいただく。
一度茅ケ崎の蔵元へ行ったことあるが、パンやおつまみも売っていて、良い雰囲気だったのを覚えている。
蔵元へ行ってみると、そこの酒に愛着が沸くものだ。
天青はすっきりとした甘みに、米の旨味をしっかり感じられる。
やっぱり旨い酒だ。
フルーティーな日本酒という感じではなく、辛口ではないけれど、しっかりと日本酒らしい日本酒だ。
天ぷらも良いが、これにはやっぱり板わさ。
かまぼこと板わさが小田原のものか分からないが、神奈川繋がりということで楽しもう。
昼から日本酒を飲んでいると、なんだかこのまま蕎麦と丼もの食べて終わりにしたくなる。
言ってみればどうでも良い気分になってくる。
落ち着いた店内のテーブル席で、ゆっくりと盃を傾けていると、ここがショッピングモールではなく、一軒の蕎麦屋の暖簾をくぐっているような気分。
今が昼なのか、夜なのか、時間の感覚まで怪しくなってくる。
鰻屋の待ち時間に軽く1杯という予定なので、日本酒を1本空けて、ごちそうさまでした。
会計は2,266円。
そろそろ鰻屋の順番来てるかな。
2020年07月訪問
つづらお 新百合ヶ丘エルミロード店
神奈川県川崎市麻生区上麻生1-4-1 新百合ヶ丘エルミロード 5F
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140508/14009225/
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