溝の口を代表する居酒屋グループたまいの本店の目の前、たまい本店から焼き鳥を焼く煙にかぶせるように、ホルモンの煙を路上にまき散らす店。それが「七輪炭焼き鉄」である。
溝の口の街は夕方、たまいグループが開店する時間になると、もつ焼きやら焼き鳥を焼く香りが充満する。
それは田園都市線のホームまで届き、仕事終わりのサラリーマンの鼻をくすぐるのだ。
時間帯もあるかと思うが、僕は溝の口で飲む時はなるべく休日にしている。
休日は、平日ほど混んでいない。
溝の口は南武線沿い、田園都市線沿いで勤めている方のハブになっている駅なので、とにかく平日の居酒屋は混んでいる。僕も送別会などではよく溝の口を利用していた。
店内をのぞき込むとカウンター席の空きが見える。
迷うことなく、空いているカウンター席に腰を下ろす。
と同時に「この席ホルモン半額」というかすれた文字が目に飛び込んでくる。
なんと座席限定で正肉、ハツなどが半額なのだ。
(座席限定と言いつつ全席なのかもしれないが)
もともと、100円台で提供しているものを、さらに半額にしているので、正肉73円、豚ハツ87円など、信じられない値段になっている。(2019年当時)
他のメニューにも目を通すと、基本的にはホルモンは100~200円台なので、何を食べても安い。
むしろ、もろQとかキムチなどの一品料理の方が高いくらいだ。
七輪を前にしたら、まずはホッピーセット白(450円)。
僕は外でホッピー飲む時はかならず白だ。
そして、無料のキャベツが銀の皿ででてくる。
この銀の皿がまた味があっていいんだ。
一見、ホルモンのたれがかかっているように見えるが、ちょっと酸味がある、キャベツ用のたれがかかっている。
これにはホルモンのたれをかけても美味い。
キャベツをバリバリとやり、ホッピーを飲んでいると、すぐさま頼んだ肉が運ばれる。
正肉(73円)。ここの鶏肉は薄く切ってあるので、焼くのに時間がかからず食べやすい。
脂もとってあるので、中高年にもヘルシーだ。
しかもとにかく安い!
豚ハラミ(93円)
せっかくの七輪焼きなので、少し脂も味わいたい。
脂が炭火に落ちた煙で一杯飲みたいのだ。
絶品ガツ(93円)
こちらは焼くとコリコリとした歯触りがいい。
あっさりしているので、つまみには最高だ。
ハツ(87円)
こちらも七輪では欠かせない。
40代になると、ホルモンよりもこういう脂身の少ない肉でちびちび飲むのがいいんだ。
どの皿にもニンニクが効いた塩だれがかかっており、これがまた美味い。
味付けはどれも同じなので、とりあえずまんべんなく焼いていく。
焼けた物から順につつきながら飲むのが楽しい。
ここのたれがまた甘くて美味い。
ただ、少し辛みが欲しい場合は、お願いするとコチジャンをいただける。
これは卓上には置いていないので、店員さんに声をかける。
塩だれは付いているものの、焼けた肉はすべてたっぷりと、たれをくぐらせて食べるのが好きだ。
七輪を前に肉を焼き、このたれの味を味わうと溝の口にいる、と実感する。
肉の焼ける匂いと音、店内の喧噪感を味わいながら飲むホッピーが最高だ。
七輪の上にはまんべんなく肉を置いた方が美味い!とテレビ番組で観た覚えがある。
実践してみると、たしかに煙が上がり、肉がいぶされてさらに美味しくなったように感じる。
隣を見ると、自分の父親と同じくらいの年齢であろう方が、同じく七輪で肉をつつきながら飲んでいる。
自分はこの位の年代になっても、ここで同じように飲んでいるだろうか。
しばらく会っていない、自分の父親も酒が好きだけど、こんな感じで一人で飲んだりしているのだろうか。
そんなことが頭の中をよぎる。
酒場では時々、他の客に自分を重ねて思いを馳せることがたびたびある。
それもまた一人飲みの楽しみだ。
4皿、ホッピーセット中お替りで会計1,043円。
ホルモンが安い分、酒は普通の価格帯なので、1,000円でべろべろとまではいかないが、十分に満足できる。
安く1000円くらいで満足出来ればセンベロだろう。
2019年8月訪問
七輪炭焼き鉄
神奈川県川崎市高津区溝の口1-12-2 大久保ビル
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140505/14005199/
<この記事の動画はこちら>
https://youtu.be/t_OGSxUuMTU