休日の昼から蕎麦屋で一杯飲む、これは大人の男にとってひとつの憧れではないだろうか。
憧れと言いつつ、そんなに敷居の高いことではないが、こういうことが習慣化して身についていることに憧れる。
さっと入って新聞なんかを読みながら、瓶ビールをやり、軽くつまんでお酒を一合。
最後はもりそばをすすって帰る。

ただのおっさんじゃないか、と思われる方もいるかもしれないが、僕の中ではこういう所作が様になることに
憧れを感じるのである。
2軒ほど飲み歩き、ほろ酔い気分で通りがかった蕎麦屋「手打ちそば更科」へ。

手打ちそば 更科
手打ちそば 更科

蕎麦のメニューはもりそばと決めているので、つまみのメニューに目を通す。
ほたるいかの沖漬け、そば味噌もいいな。
ちょっと迷いたいので、先に瓶ビール大瓶(650円)を注文。

おつまみメニュー
おつまみメニュー

注文してすぐにおばちゃんが冷蔵庫から瓶ビールを持ってくる。
突き出しが付いているのがうれしいな。

瓶ビール大瓶
瓶ビール大瓶

ビールを飲みながら、店内を見回すとがっつり焼酎で昼飲みしているグループ、一人で蕎麦をすする方が
何人かいる程度で、店内は空き始めている時間帯のようだ。

しばし飲んでいると、店員のおばちゃんがサービスでほたるいかの炙り焼きを出してくれた。
ほたるいかの炙り焼きを普通に注文しようとしたら、あと2匹しかなくて、余ったいかをサービスしてくれたのだ。

一見なのになんだか悪いな、なんて思ってしまう。
でももちろんありがたくいただく。

サービスのほたるいかの炙り焼き
サービスのほたるいかの炙り焼き

噛むといかの肝の濃厚な味が口の中に飛び出し、これがまた酒を誘う。
ほたるいかは干したものがぎゅっと旨味も詰まっていて一番美味いと思う。

そして注文していた、卵焼き(400円)が到着。
焦げ目もなく美しい一品。家庭の卵焼きとはやはり違う。

卵焼き
卵焼き

だしが効いていてこれがまた美味い。
昔は酒飲むときに、なんでわざわざ卵焼きなんて頼むんだろう、と思っていた。
しかし、酒を飲み進むうちに、卵焼きもつまみである、と認識するようになった。
味覚が変わったというより、酒飲み脳になっていくんだろうな。
歳を重ねるごとに、なんでもつまみにできるようになってゆくのだ。

瓶ビールを注ぐ
瓶ビールを注ぐ

瓶ビールを注ぎながら、ゆっくりと飲む。
これが蕎麦屋で飲むということか。そんなことを感じながら飲む酒もまた美味い。

そして、最後にもりそば(700円)

もりそば
もりそば

僕は蕎麦は好きなのだが、蕎麦の香りをかぎ分けるほどの、鋭敏な嗅覚と味覚を持っておらず、
まずは香りを楽しんで、というより、いきなりそばつゆにざぶっと付けて食べる。

蕎麦好きは蕎麦に酒をかけてから食べる、なんていうがこれもよくわからない。
(正直、酒の香りの方が強いのではないかと思う)

だが、好きな蕎麦というのはある。
噛んだ時にぷちぷちとした弾力があり、細くて歯切れのよい蕎麦。

ぷちぷちと歯切れのよい蕎麦
ぷちぷちと歯切れのよい蕎麦

この蕎麦はまさにそんな感じで好きな蕎麦だ。
細くてするすると飲みこむように口に入るが、噛むと蕎麦のコシをしっかり感じることができる。
美味いなあ。

お酒でも頼もうかと思ったけど、かなりお腹いっぱいになってきたので、もりそばを完食してごちそうさまでした。瓶ビール、卵焼き、もりそばで1,750円

こじんまりとしていて、なかなか雰囲気の良いお店だったなあ。

2019年12月訪問

手打ちそば 更科
神奈川県川崎市多摩区登戸3402
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140506/14019144/

<この記事の動画はこちら>
https://youtu.be/9HGuCXsOV2E