この日は朝から川崎、横浜野毛と一日中飲み歩いていた。
そして、溝の口に戻ってきて最後の一軒。こちら「よこ川」へ。
田園都市線、溝の口駅の南口から高津区役所方面に向かって徒歩15秒程度だ。

以前から気にはなっていたのだが、店構えに敷居の高さを勝手に感じて、中を覗いても入らずにいた。
今日はすでに5軒はしごして、かなり酔っている。

こういう時に勢いを付けて入店しないと、もう機会はないだろう。
そんなこともないが、そんな気持ちで、よこ川の暖簾をくぐる。

よこ川
よこ川

軒先は小料理屋を思わせるような雰囲気。いや、小料理屋というのか・・
40代の若造が一人で暖簾をくぐって良いものか何度も迷った。

居酒屋、小料理屋、割烹、どこを見て店のジャンルを判断すればよいのか分からない。

溝の口西口商店街の立ち飲み屋とは、一線を画す格調高い雰囲気が出ているのはたしかだ。

良い店構えだ
良い店構えだ

入店すると、客は自分のみ。
カウンター席のみで、どの席にもきちんとお盆と箸が並んでいる。

適当に奥の方の席に座り、まずはメニューに目を通す。
食材の産地もきちんと記載されており、いつも僕が飲んでいる店より多少値は張るが、なかなか良さそうだ。

つまみメニュー
つまみメニュー

酒のメニューは山形の地酒がメイン。
くどき上手、十四代など知られた名酒から、聞いたことのない地酒まで、店主のこだわりを
感じるラインナップだ。

銘柄の名前を見る限り、その季節の酒を選んで揃えているのがよく分かる。

山形の酒がすごい
山形の酒がすごい

山形の地酒はあとで堪能するとして、まずはサッポロ生麦酒中瓶(720円)

コップがガラスではなく、木製なところに店主のこだわりを感じる。
ちなみにお盆も陶器のお盆である。

サッポロ生麦酒中瓶
サッポロ生麦酒中瓶

木製のコップで飲むビールはまたひと味違う。
どこか木の温もりを感じるので、いつもの瓶ビールではないような気がする。
僕はやはりキンキンに冷えたガラスのコップが好きだな。

良い雰囲気の店内
良い雰囲気の店内

冷蔵庫を見ると、地酒の一升瓶が並んでいる。
どこでも見かけるような銘柄はあまりないように見える。

しばしビールを飲んで店内を観察していると、お通し(280円)が出てきた。

お通し
お通し

お通しは、きゅうりとクラゲの酢の物のようだ。
(多分クラゲだと思う)

飲み歩いてきた後に、さっぱりした味付けにコリコリしたクラゲの食感がいい。
頼んだつまみを作る包丁の音を聞きながら、日本酒を選ぶ。

タンタンタンタン、包丁でたたく音。
しばらくして音が止まると、活〆馬面ハギ肝和え(1200円)が出てきた。

タンタンタンタンは、肝を丁寧に叩いている音だった。

活〆馬面ハギ肝和え
活〆馬面ハギ肝和え

ウマヅラハギは平塚産とのこと。
店先のおすすめメニューに書いてあったので、もうこれを食べるつもりでいた。

口に含むと、身の弾力と肝の濃厚な旨味が口に広がる。
やはりハギは肝と一緒に食べないと。

このハギ肝和えには日本酒がほしいところ。
くどき上手超辛黒ばくれん(800円)を注文。

上から出てくる日本酒
上から出てくる日本酒

カウンターの前の高めの棚の上から出てくる。
酔ってるので、こぼさないように慎重に自分の手元まで運ぶ。

大き目のぐい飲みがまたいい感じ。
唇に当たる感じがよく、酒も一層美味く感じる。これはガラスより陶器の方がいい。

くどき上手超辛黒ばくれん
くどき上手超辛黒ばくれん

超辛口だが、良い香りと甘みがくどくないので、すっと喉を通り飲みやすい。
やっぱり、くどき上手は美味い。

ハギの肝和えをつまみ、肝の旨味をくどき上手で洗い流す。
店の雰囲気、酒とつまみの美味しさ、期待通りだ。

若造が一人で入るには、ちょっと敷居の高さを感じたが、入ってみて良かった。
40代中盤、四捨五入すると50歳、こういう店で一人飲むのに早くもない年齢か。

最近立ち飲みがしんどくなってきたので、こういうお店も開拓していこうと思った。

ビール、日本酒、お通し、一品料理で、合計3,000円。
会計はぴったりにしてくれたのかな?

ごちそうさまでした。

2022年4月訪問

よこ川
神奈川県川崎市高津区溝口2-3-10 内田ビル1F
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140505/14009322/

<この記事の動画はこちら>
https://youtu.be/HquGXu9YRkY